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Wi-Fi 6の導入は進む? IoTがけん引役にコストに課題も(1/2 ページ)

新しいWi-Fi規格「Wi-Fi 6」(IEEE 802.11.ax)が急速に無線LAN市場の主要なけん引力になりつつある。IDC(International Data Corporation)の市場調査アナリストによると、Wi-Fi 6対応のAP(アクセスポイント)は、2020年第1四半期に出荷されたAPの出荷台数の11.8%、売上高の21.8%を占めたという。

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対応製品が増えているWi-Fi 6

 新しいWi-Fi規格「Wi-Fi 6」(IEEE 802.11.ax)が急速に無線LAN市場の主要なけん引力になりつつある。IDC(International Data Corporation)の市場調査アナリストによると、Wi-Fi 6対応のAP(アクセスポイント)は、2020年第1四半期に出荷されたAPの出荷台数の11.8%、売上高の21.8%を占めたという。一方で、旧世代の規格であるIEEE 802.11acは、依然として大半の出荷台数(80.9%)と売上高(76.2%)を占めている。

 これらの数字を反映するように、最近はWi-Fi 6をサポートするソリューションが多く発表されている。直近ではImagination Technologies(以下、Imagination)が低消費電力のバッテリー駆動アプリケーションに向けた最新のIP(Intellectual Property)を発表した。RF部とベースバンド部を統合したものとなっている。NXP Semiconductors(以下、NXP)も、主にプレミアム製品をターゲットとする既存のソリューション以外でも幅広い市場で採用されるよう、Wi-Fi 6ポートフォリオを拡張したことを発表した。

 Imaginationが発表したIP「iEW400」には、RF、AFE(アナログフロントエンド)、ベースバンドが統合されている。アナログ向けにはハードマクロ、デジタル向けには合成可能なRTLとして供給され、柔軟性をもたらすだけでなく、市場投入までの時間の短縮や開発コストの削減も実現する。

 同社は、iEW400によって、あらゆるマイコン企業がコネクテッドMCU(マイクロコントローラーユニット)市場に参入しやすくなると述べている。Bluetooth Low Energy(BLE)ソリューションと組み合わせて、“Wi-Fi 6+BLE 5.2”のコンボチップも実現可能だ。


Imagination Technologiesの「iEW400」のブロック図 出典:Imagination Technologies(クリックで拡大)

 ABI Researchの主席アナリストであるAndrew Zignani氏は、「ウェアラブルやスマートホーム、インダストリアルといったIoT市場の要件に、より効果的かつ最適に対応できるWi-Fi 6 IPやチップセットが登場したことは、次世代の低消費電力Wi-Fiを実現する上で重要なマイルストーンである」と述べた。

 Imaginationは、低消費電力のIEEE 802.11nデバイスの採用が増えていることから、バッテリー駆動型アプリケーション向けのWi-Fi市場が、既に安定した成長を示していると述べた。IEEE 802.11axを用いると、それらの製品で統合的に消費電力と効率を改善できる他、性能とロバスト性も改善できる。

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