エイブリック、0.5mm厚の車載用ホールICを開発:搭載部品の薄型/小型化を可能に
エイブリックは、厚みが0.5mmの薄型パッケージを採用した車載用ホールICを開発し、販売を始めた。
はんだ接合の自動外観検査にも対応
エイブリックは2020年6月、厚みが0.5mmの薄型パッケージを採用した車載用ホールICを開発し、販売を始めた。
新製品は、外形寸法が1.96×2.46mmで厚みが0.5mmのパッケージ(HSNT-6)を採用した。従来品に比べ、パッケージの厚みは約半分である。薄型化によって、エアコンやカーナビゲーションシステムなどの調整ダイヤルなどを薄くできるという。また、端子はパッケージ側面に設けており、端子と基板のはんだ接合を自動外観検査で確認することができる。パッケージの厚みが0.8mmのTSOT-23-3S(2.9×2.8mm)も用意している。
新製品は、5シリーズを用意した。両極検知の「S-57GDシリーズ」は、S極とN極両方の磁界を検知して、磁束密度に応じてオン/オフ動作し「H」または「L」を出力する。片極検知の「S-57GS/S-57GNシリーズ」は、S極またはN極の磁界のみを検知して、磁束密度に応じてオン/オフ動作し、「H」または「L」を出力する。
ZCL検知の「S-57TZシリーズ」は、ホールICが受ける磁束密度がS極からN極またはN極からS極に切り替わるタイミングを検知するもので、ブラシレスDCモーター制御に特化した。交番検知の「S-57RBシリーズ」は、N極とS極の両方の磁界を交互に検知し、磁束密度と磁界の極性に応じてオン/オフ動作して、「H」または「L」を出力する。
新製品は、電源電圧範囲が2.7〜26.0Vで、動作温度範囲は−40〜150℃である。また、生産部品承認プロセス(PPAP:Production Part Approval Process)に対応している。車載ICの品質規格「AEC-Q100 Grade0」にも対応する予定である。
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