エイブリック、電池や配線が不要の漏水センサー:CLEAN-Boost技術を搭載
エイブリックは、CLEAN-Boost技術を搭載した「バッテリーレス漏水センサー」の販売を始めた。電池や配線工事が不要で、水滴レベルのわずかな水漏れも検知することができる。
水滴レベルのわずかな水漏れも検知
エイブリックは2019年7月、CLEAN-Boost技術を搭載した「バッテリーレス漏水センサー」の販売を始めた。電池や配線工事が不要で、水滴レベルのわずかな水漏れも検知することができる。
CLEAN-Boost技術は、マイクロワットレベルの極めて小さいエネルギーを集めて蓄電し、これを昇圧する技術。この蓄電昇圧回路技術は、立命館大学との共同研究によるものである。昇圧した電気を利用してBLE(Bluetooth Low Energy)による無線通信を行うことができる。
バッテリーレス漏水センサーは大成建設と共同開発した。検知できる水量は最小150μl(25℃、40%RH)で、初期段階のわずかな水漏れまで検知することができる。検知時間は最大300秒(25℃、40%RH)、検知温度は5〜85℃である。センサーリボンは長さが0.5m、2.0m、5.0mの3タイプを用意した。センサーリボンを連結することも可能で、最大15mまで延長できる。
無線タグは、BLEに対応しており、通信距離は見通し30〜100mである。本体の外形寸法は90×8×5mm。動作温度範囲は−10〜60℃となっている。
バッテリーレス漏水センサーは、一般住宅や集合住宅、商業施設、インフラ設備などに設置すれば、雨漏りや配管からの水漏れなどを早期に検出することができる。特に既存設備などでも、新たな電源工事や通信配線工事を必要としないため取り付けが容易。設置後の電池交換も不要である。
バッテリーレス漏水センサーの販売は、チップワンストップが担当。3年後をめどに年間10億円の売上高を見込む。
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