Withコロナ時代にエンジニアたちが期待する技術とは:EE Times Japan/EDN Japan/MONOist読者調査(2/2 ページ)
EE Times Japan、EDN Japan、MONOistの3媒体は、第3回の「新型コロナウイルス感染症のモノづくりへの影響に関するアンケート調査」を実施した。今回のアンケートでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大からおよそ半年が経過した現在、企業がとっている対策や、期待が高まる技術が明らかになった。
コロナ対策でテクノロジー活用が活発化
COVID-19への影響に対して、会社がモノづくりで採用している(もしくは今後とる予定の)対応策(複数回答可)については、「自社イベント/セミナーの開催中止/延期」が32.5%、「生産の削減」が21.5%と依然として上位ながら、それぞれ前回から8.1ポイント、8.6ポイント減少した。一方、前回は回答がなかった「VR(仮想現実)/AR(拡張現実)/MR(複合現実)」が5.5%となったほか、今回新たに追加した項目「オンラインイベントの実施」が27.5%、「サーモグラフィーや顔認証を用いた入退管理システム」も14.0%と比較的高い水準になっており、ピークはいったん過ぎたもののコロナの収束が見えない中、テクノロジーの活用によって課題解決を図ろうとする企業の姿勢が表れたといえるだろう。
なおこの設問では、「コラボレーションツール(テレワーク)の活用」が59.0%と、前回の64.9%から減少した。前回アンケートは緊急事態宣言の期間中だったため、環境整備が十分でなくとも急きょテレワークを導入した企業も多かったことが要因とみられる。ただ、今回のアンケ―トでも、設問「テレワークで従来道り問題なく業務できているか」に対し、「出社していた時ほど業務が進まない」は53.0%と過半数を占めており、いまだ多くの企業がテレワーク導入に課題を残していることが浮き彫りになった。この設問では自由回答も募集している。以下に一部を抜粋する。
[できているが、出社していた時ほどは業務が進まない]と答えた方
- 検討段階で実験が必要になる、なかなか段取りがうまくできない
- エンジニア間のコミニケーションが少し不足しだした
- 同僚とのコミュニケーション不足
- 細かな機微がつかめない
また、さまざまな展示会やイベントが代替手段として開催する「オンラインイベント」への関心についても、「参加してみて、よかったと思った」が27.8%、「参加したことはないが、参加してみたい」が41.2%と好意的な意見が7割を占めた一方、「参加してみて、不満があった」も14.4%となった。COVID-19の感染拡大を受けて緊急避難的にオンラインへの移行が急速に進んだものの、必ずしも参加者が満足いくような内容になっているとはいえないようだ。実物に触れるなどのオフラインでしか得られないメリットを補うことは難しいが、より多くの参加者が満足いくようにするためには、今後さらなる精査が必要だろう。
Withコロナ時代、VR/ARや遠隔医療に期待
COVID-19の収束はいまだ見通せない。また、仮に収束したとしても人々の暮らし方や社会の在り方が依然のように戻ることはなく「Withコロナ/ニューノーマル時代」に向けた改革が必要だという意見は強い。アンケートでも実際に、52.1%が収束後も事業や業務が以前と同じに戻ることはないと回答している。今回は、そうした時代にどんな技術を期待するかも尋ねた。その結果、VRやAR、5G(第5世代移動通信)、AIおよびロボティクスなどによる遠隔医療やリモート作業などへの期待が多いことが分かった。以下に回答の一部を抜粋する。
遠隔医療や自動運転など、withコロナ/ニューノーマル時代で期待する技術
- VR等でコミュニティー(仕事、余暇、近隣、友人)を再構築できるような技術
- VR等を活用して、遠隔での商品開発システムがあれば面白い
- Spot等のロボット、AR技術による現場業務の支援。自分はデスクワークなのでスムーズに在宅勤務に移行できたが、現場メインの職種の人たちに、少しでも選択肢を与えてほしい
- 遠隔医療、AI等も利用したスピードと安全性を考慮した新薬開発、新たな教育システム
- ロボット化、AIoT化によるスマート工場
- 遠隔医療、遠隔制御での製造/実験
- AI/5G利活用による自動運転技術とWebコミュニケーション技術
- 5Gを始めとするセキュリティの高い高速ネットワーク網
第3回「新型コロナウイルス感染症のモノづくりへの影響に関するアンケート調査」は、TechFactory ホワイトペーパー ダウンロードセンターで無料ダウンロードできます。
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