初の“オンラインCEATEC”が開幕へ、出展者数は356社:ニューノーマル時代の技術を示す
「CEATEC 2020 ONLINE」が2020年10月20〜23日の会期で開催される。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対策として、CEATEC史上初となる完全なオンラインでの開催となる。
「CEATEC 2020 ONLINE」が2020年10月20〜23日の会期で開催される。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対策として、CEATEC史上初となる完全なオンラインでの開催となる。
開催に先駆け、同年10月19日にはCEATEC実施協議会によるオンライン記者会見と、報道機関向けに先行して展示を公開する「メディアコンベンション」が行われた。
今回のCEATECは、「CEATEC - Toward Society 5.0 with the New Normal(ニューノーマル社会と共に歩むCEATEC)」というスローガンの下で、ニューノーマル社会でニーズが高い、もしくはニーズが高まるであろう技術やサービスを発信していく。CEATEC実施協議会エグゼクティブプロデューサーの鹿野清氏は「ニューノーマルとは何かを考え、共創のきっかけにしていく場」としてCEATECを活用してほしいと述べる。
今回の出展者数は356社/団体。2019年は355社/団体だった*)。そのうち新規出展者数は164社/団体で、「オンライン開催と相性がよいソフトウェア関連の会社、具体的にはDX(デジタルトランスフォーメーション)関連の企業や団体が多く集まった」(鹿野氏)という。CEATECはスタートアップの出展者募集に数年前から力を入れてきたが、今回は135社のスタートアップが集まった。
*)2019年までの出展社数のカウントは、1つのブースに複数社が出展する共同出展の場合、共同出展社も1社とカウントしていた。「CEATEC 2020 ONLINE」では共同出展という形式がないので、「356社/団体」は純粋に出展申込者数となる。
「CEATEC AWARD 2020」、総務大臣賞は富士通と理研
記者会見では「CEATEC AWARD 2020」も発表された。総務大臣賞は、スーパーコンピュータ「富岳」を開発した富士通と理化学研究所が受賞。東芝は、わずかな血液から短時間で13種類のガンを検知する「マイクロRNA検出技術」で経済産業大臣賞を受賞した。
その他、ニューノーマルを支える技術として3つの部門賞が設定され、シャープの透明ディスプレイパーティション、アルプスアルパインのタッチレス操作パネル、TDKのピエゾ環境発電によるホイール完結型センシングがグランプリに選ばれた。
鹿野氏は、「オンライン開催でも、展示を『見て』、カンファレンスを『聴いて』、未来の社会を『感じて』『考えて』、共創に向けて『動き出すこと』ができる“CEATEC体験”をしてほしい」と述べた。
今回のCEATECでは4日間で20万人超の来場を目指す。鹿野氏は「過去最高は2007年の20万5859人。何とかこれを超えたい」と語った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 来場目標「20万人超」、CEATECの来場登録開始
CEATEC実施協議会は2020年10月1日、初のオンライン開催となる「CEATEC 2020 ONLINE」(会期2020年10月20〜23日)の来場者事前登録を開始した。会期中の来場者数目標として、「20万人超」を掲げている。出展企業/団体数は300以上となる見込みだという。 - スパコン性能で「富岳」が世界1位、初の同時4冠達成
スーパーコンピュータの性能ランキング「TOP500」が2020年6月22日(ドイツ時間)に発表され、理化学研究所と富士通が共同開発した「富岳」が世界1位を獲得した。日本のスパコンが1位となるのは2011年11月に先代の「京」が獲得して以来、9年ぶり。富岳は同日、「HPCG」「HPL-AI」「Graph500」でもそれぞれ1位を獲得し、世界初の同時4冠を達成した。 - 富士通がスパコン「富岳」の出荷を開始
富士通は2019年12月2日、理化学研究所(理研)と共同で開発したスーパーコンピュータ(スパコン)「富岳」の出荷を開始した。富士通ITプロダクツ(石川県かほく市)で製造され、12月2日に初出荷されるコンピュータラックは、理研の計算科学研究センターに納入されるという。 - 指でも動かせる空中映像、自動車からの引き合い多く
空中映像システムの開発を手掛けるパリティ・イノベーションズは「CEATEC 2019」(2019年10月15〜18日、幕張メッセ)で、空中に映像を表示するシステムのデモを展示した。 - 次世代ディスプレイの有力候補「マイクロLED」
今回は、次世代フラットパネルディスプレイのキーデバイスを解説する「2.5.2 マイクロLED」を取り上げる。マイクロLEDパネルの強みとは何だろうか。