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「ISSCC 2021」はオンライン化、日本は論文採択率が高いプログラムは変えず(1/2 ページ)

ISSCC ITPC Far East Regional Subcommitteeは2020年11月17日、オンライン記者説明会を開催し、2021年2月に開催される「ISSCC 2021」の概要と注目論文を紹介した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、第68回となるISSCC 2021はオンラインで開催される。

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オンラインで実施も「プログラムは変えない」

 ISSCC ITPC Far East Regional Subcommitteeは2020年11月17日、オンライン記者説明会を開催し、2021年2月に開催される「ISSCC 2021」の概要と注目論文を紹介した。

 「ISSCC」(国際固体素子回路会議)は、IEEE Solid-State Circuit Societyが主催する半導体業界最大級の国際学会。「世界初」や「世界最高性能」をうたう多くの半導体チップが発表される、半導体集積回路の分野で非常に権威のある国際学会だ。例年、米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催され、約200件の発表に約3000人の聴衆が参加する。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、第68回となるISSCC 2021はオンラインで開催される。期間は2021年2月13〜22日。ただし、オンデマンドで同年3月31日まで聴講可能だ。会議テーマは「Integrated Intelligence is the Future of Systems(知能集積こそが次世代のシステム)」で、195件の一般論文が発表される。

 ISSCCには、アナログ、パワーマネジメント、データコンバータ、RFなど12のサブコミッティー(技術分科会)がある。2020年2月に開催された「ISSCC 2020」から、新しく機械学習がサブコミッティーとして加わった。

 ISSCC 2021 Program Chairを務める池田誠氏は、ISSCC 2021全体の注目技術トレンドの一つとして機械学習分野の活発化を挙げた。「機械学習サブコミッティーへの投稿が大幅に増加した。前回(ISSCC 2020)の論文採択数はアジアが多かったが、今回は欧米からの採択数が増えた。機械学習のハードウェアがグローバルで盛り上がっていることを示すのではないか。IoT(モノのインターネット)からクラウドまでの分野で新しいDNN(ディープニューラルネットワーク)応用向けのチップについて論文が発表される。その他、インメモリ型DNN、3次元積層、5nmプロセスを適用する機械学習チップに関する論文発表も予定されている」(池田氏)

 その他、

  • 量子コンピュータの進化を支えるIC技術
  • センサー系ではマルチカメラ、AR(拡張現実)/VR(仮想現実)向け技術、自動運転に向けたRGB/測距センサー関連の技術
  • 通信系では高スループット化への強い需要に応えるための有線回路技術の高ビットレート化技術

などをトレンドとして挙げた。

 ISSCC 2021のプログラム内容は、これまでと変わらない。「オンライン化しても、コンテンツは一切変えないというのがポリシー」と池田氏は述べる。4件のPlenary Sessions(基調講演)、36件のTechnical Sessions、6件のEvening Events、4件のDemonstration Sessionsといった具合である。「デモは『Zoom』のようなシステムを用いて、(事前に録画した動画ではなく)リアルタイムで行い、配信する。Q&Aもその場で受け付ける」(池田氏)

左=「ISSCC 2021」のスケジュール。米国カリフォルニア州のタイムゾーン(米国太平洋標準時)を基準にしている。日本でリアルタイムで視聴するにはややつらい時間帯もある/右=Plenary Sessionsの登壇者 出典:ISSCC ITPC Far East Regional Subcommittee(クリックで拡大)

 池田氏は、「これまでは、全てのセッションを見ることは物理的に不可能だったが、オンラインでは(オンデマンド配信があるので)見ようと思えば全て視聴できるのがメリットだ」と語った。

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