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「電源エコシステム全般をカバー」8chオシロ新製品キーサイト、EXRシリーズ(2/3 ページ)

キーサイト・テクノロジーは2020年11月、8チャンネルオシロスコープの新製品「Infiniium EXRシリーズ」を発表した。ミドルレンジの汎用モデルオシロとして多くの機能を備えるが、特に「電源のエコシステム全般をカバーする」というさまざまな電源解析機能が最大の特長。同社説明担当者は「最も多様な電源解析ができ、コストパフォーマンスも高いモデルだ」としている。

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8チャンネルの電源投入/遮断シーケンスを同時にマスクテスト

 EXRシリーズの具体的な電源解析機能として、同社は4つの機能を紹介している。1つ目は、スイッチングレギュレーター評価機能だ。これはオプションのソフトウェア「D9010PWRA」によって実現するもので、下図の通り、入出力解析やスイッチング解析、周波数応答解析の各モードでさまざまな解析を可能としている。また、パワー測定デスキューフィクスチャー「U1880A」(こちらもオプション)を用いることによって電圧/電流プローブの自動スキュー補正もできるようになる。


スイッチングレギュレーター評価機能について(クリックで拡大) 出典:キーサイト・テクノロジー

 2つ目は、標準機能として備える、8チャンネル電源投入、遮断シーケンスのマスクテスト機能だ。これは最大8チャンネル同時に、それぞれ独立したマスクテストが可能となるもので、数千回の起動サイクルの連続マスクテストと測定結果を1枚のスクリーンショットで表示できる。また、プロトコルトリガ/デコートでPMICからの制御信号の解析も合わせて行うことができる。同社製品で8チャンネル同時のマスクテスト機能を実現したのは、MXR/EXRシリーズが初だという。


8チャンネル電源投入、遮断シーケンスのマスクテスト機能について(クリックで拡大) 出典:キーサイト・テクノロジー

 3つ目は、電源ノイズの可視化とPDN(Power Delivery Network)のSI(Signal Integrity)/PI(Power Integrity)評価機能だ。この機能はオプションソフト「D9010POWA」で実現するもので、2GHzまでの広帯域測定に対応する同社の1対1電源ノイズ観測専用パワーレールプローブ「N7020A」を用いることで、DC電源に重畳した数ミリから数十ミリボルトクラスの小振幅のAC成分、ノイズを可視化。ノイズによるクロック/データ信号におけるジッタの相互作用、影響の解析が可能となっている。


電源ノイズの可視化とPDNのSI/PI評価機能について。ノイズがない場合のアイパターンの表示も可能となる。SI/PI評価機能も、これまで上位機種にしかなかった機能だという(クリックで拡大) 出典:キーサイト・テクノロジー

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