「電源エコシステム全般をカバー」8chオシロ新製品:キーサイト、EXRシリーズ(3/3 ページ)
キーサイト・テクノロジーは2020年11月、8チャンネルオシロスコープの新製品「Infiniium EXRシリーズ」を発表した。ミドルレンジの汎用モデルオシロとして多くの機能を備えるが、特に「電源のエコシステム全般をカバーする」というさまざまな電源解析機能が最大の特長。同社説明担当者は「最も多様な電源解析ができ、コストパフォーマンスも高いモデルだ」としている。
50μ〜5Aの測定範囲において86dBで測定
4つ目は、消費電流の高感度測定機能で、シャント型高感度電流プローブ「N2820Aシリーズ」を用いる。N2820Aシリーズを使えば、50μ〜5Aまで幅広い測定範囲において、86dB(20000:1)という広いダイナミックレンジで測定が可能となるという。下図の写真で、大きい方のプローブが帯域幅3MHzのズームアウトチャンネル、小さい方が500KHzのズームインチャンネルとなっており、オシロの2つのチャンネルに接続し、低利得ビューと高利得ビューを同時に表示できる。
なお、これらの機能はMXRシリーズも備えているが、EXRシリーズであればより安価に実現できる。説明担当者は、「周波数帯域2.5GHzであればマーケットニーズの多くをカバーできる。特に回路基板上での電源解析用途であれば十分にカバーできるものだ」としている。
EXRシリーズは、500MHz、4チャンネルモデルの概算価格が約251万円〜、8チャンネルモデルの概算価格は約411万円〜(いずれも税抜き)だ。また、4チャンネルから8チャンネルへのアップグレードも可能(差額と作業費が必要)となっている。電源解析機能のオプションの概算価格(1年ライセンス)はD9010PWRAが約12万円、D9010POWAが約20万円、N2820Aが約67万円だ。
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