HDD大手Seagateの四半期売上高は前期比が3四半期ぶりに増加:福田昭のストレージ通信(175)(1/2 ページ)
HDD大手ベンダーの米Seagate Technologyが2021会計年度第2四半期(2020年10月〜12月期)の業績を発表した。今回は、その業績について解説する。
売上高と営業利益は前期比で増加、前年同期比で減少
ハードディスク装置(HDD)の大手ベンダーである米Seagate Technology(以降はSeagateと表記)と米Western Digital(以降はWDと表記)が、四半期の業績を相次いで公表した。発表日(現地時間)はSeagateが2021年1月21日、WDが同年1月28日である。そこで今回と次回は、SeagateとWDの四半期業績を続けてご報告する。
Seagateの会計期間は7月から始まり、6月を決算月とする。1月21日に同社が発表したのは2020年10月〜12月の四半期業績で、会計年度では「2021会計年度第2四半期」となる。
2021会計年度第2四半期(2020年10月〜12月期)の売上高は前四半期比(前期比)13.5%増、前年同期比2.7%減の26億2300万米ドルである。前四半期比は3四半期ぶりに増加に転じた。前年同期比は前期に続いて2四半期連続の減少となった。
概況としては広範囲に渡って需要が回復した。全ての応用分野と全ての地域で前期に比べて販売が伸びた。特に大容量HDDの要求が底堅い。16TB品は広く普及しつつあり、18TB品は出荷が急速に立ち上がりつつある。HDDの総出荷記憶容量は過去最大となった。HAMR(熱アシスト磁気記録)技術による20TB品は、予定通り2020年(暦年)内に出荷を始めた。
2021会計年度第2四半期(2020年10月〜12月期)の営業利益(GAAPベース)は前四半期比(前期比)39%増、前年同期比9.4%減の3億4800万米ドルである。粗利益率(GAAPベース)は26.5%で、前の四半期から0.7ポイント増加した。売上高営業率(GAAPベース)は13.3%となり、前の四半期に比べて2.5ポイント上昇した。
HDDとSSDはともに前期比で売り上げが増加に転じる
Seagateは製品別売り上げを、「HDD製品」と「その他(エンタープライズ・ソリューションやSSD製品など)の製品」に分けて公表してきた。売り上げのほとんどを占めるのは、「HDD製品」である。
2021会計年度第2四半期(2020年10月〜12月期)に「HDD製品」の売り上げは前四半期比(前期比)13.5%増、前年同期比2.3%減の24億2500万米ドルとなった。前期比は3四半期ぶりに増加した。前年同期比は2四半期連続の減少である。
2021会計年度第2四半期(2020年10月〜12月期)に「その他(エンタープライズ・ソリューションやSSD製品など)の製品」の売り上げは1億9800万米ドルとなった。前四半期比(前期比)では11.9%増、前年同期比では7.9%減である。HDD製品と同様に、四半期ベースの売り上げが回復していることが分かる。
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