HDD大手Seagateの四半期売上高は前期比が3四半期ぶりに増加:福田昭のストレージ通信(175)(2/2 ページ)
HDD大手ベンダーの米Seagate Technologyが2021会計年度第2四半期(2020年10月〜12月期)の業績を発表した。今回は、その業績について解説する。
マスキャパシティHDDの総出荷容量が過去最大を更新
Seagateは、HDDの総出荷記憶容量と1台当たりの記憶容量(平均記憶容量)を製品分野別に公表してきた。製品分野は「大容量品(マスキャパシティ品)」と「既存品(レガシー品)」に分けている。マスキャパシティ品には、ニアラインHDD、画像データ格納用HDD、NAS(Network Attached Storage)などが含まれる。レガシー品にはミッションクリチカルHDD、デスクトップPC用HDD、ノートPC用HDD、デジタルビデオ録画用HDD、ゲームコンソール用HDDなどが含まれる。
マスキャパシティ品は、平均記憶容量が当然ながら大きく、総出荷記憶容量も極めて大きい。2021会計年度第2四半期(2020年10月〜12月期)の平均記憶容量は7.9TB(テラバイト)で、前四半期と比べて0.3TBの減少である。2四半期連続で平均記憶容量が縮小した。
マスキャパシティ品の2021会計年度第2四半期(2020年10月〜12月期)の総出荷記憶容量は97.2EB(エクサバイト)である。前四半期と比べて12.2%増加し、過去最大となった。 マスキャパシティ品の大半を占めるニアラインHDDの総出荷記憶容量は71.2EBで、前四半期と比べて10.7%増と拡大した。マスキャパシティ品の総出荷記憶容量に占めるニアラインの比率は73.3%である。前の四半期に比べて0.9ポイント低下した。
レガシー品の総出荷記憶容量は2021会計年度第2四半期(2020年10月〜12月期)に32.0EBである。前の四半期に比べて15.1%増加した。平均記憶容量は1.8TBで前の四半期と変わらない。
HDD全体の総出荷記憶容量は129.2EBである。前の四半期と比べて12.9%増と拡大した。HDD全体の平均記憶容量は4.3TBだった。前の四半期に比べて0.1TB低下した。
Seagate全体の売上高に占めるマスキャパシティHDDの割合は58%で、3四半期連続で同じ比率となった。レガシーHDDの割合は35%で、前の四半期に比べて1ポイント上昇した。
(次回に続く)
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