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Wave Computingが破産、「MIPS」として事業継続へチャプター11の手続きが完了

Wave Computingは、米連邦破産法11条の手続きを終え、MIPSとして引き続き事業を継続する予定であることを明らかにした。

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 Wave Computingは、米連邦破産法11条の手続きを終え、MIPSとして引き続き事業を継続する予定であることを明らかにした。

 Wave Computingの米連邦破産法11条事業再建計画は、2021年2月10日(現地時間)に、カリフォルニア州北部地区破産裁判所によって承認された。これにより、債権者の大半が有意義な回復を遂げるとみられ、Wave Computingと、MIPS Techをはじめとするその子会社は、社名をMIPSとして存続していくという。同社は発表した声明の中で、「MIPSという社名を掲げることで、戦略の焦点を、もともとMIPSが開発を手掛けたRISCベースのプロセッサアーキテクチャに定めていきたい考えだ。またMIPSは現在、オープンソースのRISC-Vプロセッサ標準をベースとした、新しい標準ベースの第8世代アーキテクチャの開発も進めている」と述べた。ただし同社は、これ以上の詳細については明かさなかった。

 MIPSの新しい過半数株式保有者となるのは、2020年12月に行われた破産オークションで勝利を獲得したTallwood Venture Capitalである。入札価格は6100万米ドルだったという。MIPSのCEO(最高経営責任者)は、引き続きSanjai Kohli氏が務める。

 Kohli氏は、「米連邦破産法11条による事業再建を終え、今後当社の事業を成長させていくことを心待ちにしている。当社にとって非常に重要なMIPSアーキテクチャは、素晴らしいチャンスを秘めた技術であるため、新たに幅広い顧客層に向けて展開していくことが可能だ。米連邦破産法11条の手続き中に、忍耐を持って懸命な取り組みを進めてくれた当社のチームメンバーと、こうして成功へと導いてくれたアドバイザーたちに対し、感謝の意を表明したい」と述べている。

 MIPSのCRO(最高事業再構築責任者)を務めるLarry Perkins氏は、「ここ数カ月間にわたって、利害関係者たちと密接に協業することにより、債権者のために強力な回復力を提供するとともに、将来的にMIPSを堅固な経済基盤に置くことが可能な計画を実現することができた。MIPSは、素晴らしい可能性を秘めた有益な事業であり、破産手続きを経て、これまでよりはるかに強い会社として生き残ることができた。Kohli氏とそのチームが今後成し遂げるであろう成果を見るのが待ち遠しい」と述べる。

 Wave Computingは、2020年4月に米連邦破産法11条の適用を申請した。米国EE Timesが以前に報じたように、同社はさまざまな問題を抱えていたが、MIPSは、Wave Computingの中では完全に別の事業部門とされていて、独立した会社として独自契約を結んでいたため、同社の事業の中で最大収益を誇る「MIPS I-Class」プロセッサコアファミリーを携え、引き続き成功に向かって進んで行くことが可能だ。

 MIPSは、1984年にMIPS Computer Systemsとして設立された。その後、1993年にSilicon Graphicsに買収され、2013年にはImagination Technologiesに、2017年にはTallwood Venture Capital、そして2018年にはWave Computingと、さまざまな企業の手に渡ってきた。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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