【付録】あの医師がもっと伝えておきたい“9個の補足”:世界を「数字」で回してみよう(67)番外編(9/9 ページ)
あの“轢断のシバタ”医師が、コロナワクチンについて伝えておきたい7つのこと。本稿は、その付録となります。
(付録I)高実効再生産数に寄与する行動および施設に対する課税についての提案
蛇足の蛇足ですが、行動を抑制する方法として、自粛という方法論は限界に来ているように感じます。これが最適の方法かどうか、与野党の垣根なくもっとさまざまなアイデアを出し合ってより良い方法を見つけ出して欲しいと思います。
言いっ放しでは無責任ですので、一案(6案)を提示します。
(A)20時以降の飲食店の利用に、「コロナ対策Rt調整税」として30%を上乗せしましょう。思わず大声を出してしまうお酒の提供に対しても、プラス30%の課税、未成年を含む家族を除く5人以上の会食でプラス30%、1時間以上の会食でプラス30%でいかがでしょうか。
(B)「20時以降に5人以上で1時間以上の飲酒」なら、消費税と併せて合わせ技の130%の課税でどうでしょう。ただし、その半分は店に還元するということにしたら、お店の利益率も確保されるし、コロナ対策費も確保できるし、お酒を飲みたい人は自由に飲めるし、なにより家で自粛している人はお金を払わなくて良いというのがすばらしいです。
利用者負担の原則にのっとった、割と理解の得られる方法のような気がします。(C)家飲み、リモート飲みを推奨するなら、ビールやワインの減税をセットで行うのも効果があるかもしれません。
私は経済学については素人ですが、「GoTo」と「緊急事態宣言」は人の流れをいびつに調整しているように見えてしまいます。(D)Rt調整税を地域の感染率に連動させておけば、自動的に調整税の還元による支援と人流の抑制による感染者数制御が同時に行えます。
GoToのように、高級宿ほどお得感が出る問題も発生しません。高級な宿ほど負担感が増しますが、宿への還元金額も増えるので利用客の減少のクッションになるでしょう。GoToでは高級宿ばかり利用されましたが、この方法なら安宿にも目が向くでしょう。パチンコ、カラオケ、スポーツジム、東京〇〇ランドなどの密集回避策としても利用可能かも知れません。
持続的にRtを調整しつつ、事業者も守ることができる、そんな仕組み作りのアイデアが求められているような気がします。
感染症への対策としては、首都圏の人口過密はそれだけでリスクですから、(E)集合住宅の土地面積当たりの人口密度に比例して固定資産税を増額し、タワーマンションや部屋数の少ない家なども課税してしまいましょう。
100年の間に数回のペースで新興感染症が発生しているのですから、「想定外」などとトンチンカンな事を言っていないで、(F)南海トラフ大地震への備えと併せて、本格的に地方へ人を回す施策を考えた方が良いでしょう。
地方分権、人口の分散といった南海トラフ大地震へ向けたリスク分散は、実はそのまま感染症のリスク分散と共通するところが多かったりします。せっかくですから国土強靱化に感染症対策も含めてしまえば良いと思います。
世の中にはきっとこれよりすばらしいアイデアをお持ちの方がたくさんいらっしゃるはずです。ぜひ政権に売り込んでください。
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