岩崎通信機、電流プローブを一新し8機種を投入:微小電流から大電流まで幅広く対応
岩崎通信機は、電流プローブを一新し「SS-500シリーズ」として8機種を市場に投入する。専用電源2機種も同時に発売する。デジタルオシロスコープ「DS-8000シリーズ」と組み合わせ、パワーエレクトロニクス分野を中心に提案していく。
DS-8000シリーズオシロと組み合わせ、パワーエレ分野に提案
岩崎通信機は2021年4月、電流プローブを一新し「SS-500シリーズ」として8機種を市場に投入すると発表した。専用電源2機種も同時に発売する。デジタルオシロスコープ「DS-8000シリーズ」と組み合わせ、パワーエレクトロニクス分野を中心に提案していく。
電源やインバーター機器では、SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)ベースのパワー半導体を搭載することで、電力消費の低減や小型化などに取り組んでいる。これらの機器開発には、微小な信号を検出できる測定器やセンサーが必要となる。
SS-500シリーズは、スイッチング電源において数百マイクロアンペアのリップル電流を測定できるなど、微小電流から大電流まで測定できる電流プローブである。例えば、帯域50MHzの「SS-530」と帯域120MHzの「SS-531」は、0.5/5/30Aと3つの電流レンジに対応するモデル。また、帯域が10MHzの「SS-560」は電流レンジ150Aに、帯域が2MHzの「SS-570」は電流レンジ500Aに対応するモデルである。
これらの用途として同社は、ECUなどインバーター制御回路の消費電流やノイズ測定、小型精密モーターから大出力モーターまでの電流測定、パワーデバイスのスイッチング解析、電源の高調波測定などを挙げた。
プローブ専用電源として4チャネルタイプの「PS-54」(税別価格7万5000円)と2チャネルタイプの「PS-52」(同5万円)も発売する。PS-54は全ての電流プローブに、PS-52は「SS-530」と「SS-531」を除く電流プローブに利用することができる。
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