アンリツ、5G RF Regulatoryテストシステムを販売:スプリアス試験や妨害波試験も容易
アンリツは、5G(第5世代移動通信)に対応する端末の電波法令用試験システム「RF Regulatoryテストシステム(ME7803NR)」を開発、販売を始めた。
北米や欧州、アジア地域の周波数Bandに対応
アンリツは2021年2月、5G(第5世代移動通信)に対応する端末の電波法令用試験システム「RF Regulatoryテストシステム(ME7803NR)」を開発、販売を始めた。
ME7803NRは、5G NR端末においてARIB(電波産業会)/ETSI(欧州電気通信標準化機構)/FCC(連邦通信委員会)が策定するTRCC/RED/CFRのFR1試験に適合したテストソリューションである。「5G NR Non-Standalone」での呼接続による5G RF Regulatory試験を行うことができる。スプリアス試験や妨害波試験も比較的容易に測定することが可能である。また、現在は対応していない「5G NR Standalone」や新たに追加される試験などについても、順次サポートしていく予定。
テストシステムは、5G NRの疑似基地局として用いるラジオコミュニケーションテストステーション「MT8000A」や、LTE Anchorとして用いるラジオコミュニケーションアナライザー「MT8821C」および、スペクトラムアナライザー、信号発生器と専用のソフトウェアなどで構成される。
ME7803NRは、北米や欧州、アジア各国で既に運用されているか、開始予定の周波数Bandに対応している。既にMT8000AやMT8821Cなどを保有する顧客は、これらの資産を流用することも可能で、最小限のハードウェアを追加するだけでテストシステムを構築できる。SAR/OTA/EMC試験にMT8000AやMT8821Cを用いることも可能で、導入した資産を有効に活用できる。
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