EV組み立てで新たなチャンスを狙うFoxconn:狙いはApple(1/2 ページ)
台湾Foxconnが2021年3月に、電気自動車(EV)アライアンス「MIH Alliance」の設立を発表した。関係者たちによると、同社はこの同盟によって、EV市場への参入を検討しているメーカーとの間でパートナーシップを構築していきたい考えだとしており、そのターゲットはAppleに他ならないという。
EV向けにアライアンスを新設
台湾Foxconnが2021年3月に、電気自動車(EV)アライアンス「MIH Alliance」の設立を発表した。関係者たちによると、同社はこの同盟によって、EV市場への参入を検討しているメーカーとの間でパートナーシップを構築していきたい考えだとしており、そのターゲットはAppleに他ならないという。
Appleの「iPhone」を製造するFoxconnは、「MIH Allianceは、半年もたたないうちに、ハードウェア、ソフトウェア関連のパートナー企業を1200社も集めることができた。2021年10月にはEVキットを発表し、さらに2022年には電気バスのプロトタイプも発表できる予定だ」と述べている。
MIH Allianceの目的は、Googleのスマートフォン向けオープンソースOS「Android」上で、EV向けのオープンプラットフォームを構築することだという。同アライアンスのCEO(最高経営責任者)を務め、中国のEVメーカーNioの共同創設者でもあるJack Cheng氏は、2021年3月25日に行われたミーティングにおいて、「高水準、高効率かつ高速な開発が可能な、新世代のEVエコシステムを構築していきたい考えだ」と述べている。
また、FoxconnのCTO(最高技術責任者)であるWilliam Wei氏も、同ミーティングにおいて、「1社のメーカーだけ、1つのチームだけでは、大きな成果を達成することはできない。協業とチームワークが非常に重要だ」と述べる。同氏は以前に、Appleでエンジニアを務めていた経歴を持つ。さらに、中国のブティック型投資銀行であるFCC Partnersでプレジデントを務めるC.Y. Huang氏は、「MIH Allianceは、電気自動車の量産を加速することにより、Foxconnが、Appleだけでなく、場合によってはTeslaとの間でも新しい製造パートナーシップを構築できるよう、サポートを提供することが可能だ」と述べている。
Huang氏は、米国EE Timesのインタビューに応じ、「もちろん最終目標は、Apple向けに製造することだ。さらには、AppleとTeslaの2社への対応を実現したい」と述べる。同氏はこれまで、台湾のEV業界におけるアライアンス構築の取り組みに関与してきた人物だ。
Appleの動き
EV市場では、Teslaが大きな成功を収めている。そのためAppleは今まで、スマートフォン/PCに比べて規模が数兆米ドル大きいEV市場において、その一部のシェアをつかみ取るための重要なチャンスを逃してきた。
アジアの資本市場/投資グループであるCLSAでアナリストを務めるPatrick Chen氏は、EE Timesの取材に応じ、「現在Appleは、Foxconnとの間で何らかの協業体制を構築すべく必死に話し合いを進めているところだ」と述べている。
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