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「ルンバ対中国製」の構図で競争が進むお掃除ロボ製品分解で探るアジアの新トレンド(50)(2/3 ページ)

中国Xiaomi系のロボット関連機器を手掛けるRoborockの多機能お掃除ロボットが2020年末に発売された。日本では大型家電量販店の独占販売となっており、ネット広告やTV-CMなどでも見かけることがあるほどにイチオシ製品として扱われている。今回は、Roborockの最上位機である「S6 MaxV」を分解した。

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レーザースキャナーの分解

 図3に、レーザースキャナーを分解した様子を示す。レーザービームを発射する部分、対象物からの反射データを捉えるレシーバーセンサー、システムをコントロールするマイコンの3点で構成されている。他のレーザースキャナーも構成はほぼ同じだ。


図3:レーザースキャナーの内部の様子 出典:テカナリエレポート(クリックで拡大)

 レーザービームに大きなエネルギーを与えると遠くまで照射することができるので、電源系が商品によって異なるが(大きな電圧素子を使うものもある)、構成は変わらない。お掃除ロボットでは、一般的な部屋を対象とするので10mくらいのスキャンを対象としたものが使われている。弊社は現在、車載用LiDARなども複数の機種を分解および解析しているが、中には500mや1kmといった長距離のスキャンができるものもあり、それらの内部構造は大きく異なったものになっている。お掃除ロボットの場合は短距離のスキャンが行われ、部屋内の地図データを作ることに特化している。

 図4は、S6 MaxVの内部を一式取り出した様子である。弊社ではほとんどの分解物を内部の配線を接続したまま、丸ごと取り出した上で、図4のような写真を撮影するようにしている。外せるものから外すという分解手順だと接続関係などを捉えにくいからだ。


図4:S6 MaxVの内部を一式取り出した様子 出典:テカナリエレポート(クリックで拡大)

 S6 MaxVは多機能お掃除ロボットなので、内部には多くのセンサーとモーターが搭載されている。前面のバンパーの裏には計6個の赤外線センサーが搭載されている他、充電器との距離測定用のセンサー、近接センサー、カメラセンサー(CMOSイメージセンサーと赤外線センサー)など10個を超えるセンサーが搭載されている。物体との距離や段差などを常時監視しているのだ。

 モーターも多い。ごみを吸引するためのモーター、車輪を動かすための2基のモーター、床ブラシを回転させるためのモーター、コーナーブラシのモーター、さらに水拭き機能も備わっており、水を噴射させるためのモーター、レーザースキャナー回転モーターと全部で7個ものモーターが使われている。

 多数のセンサーデータと多数のモーターを駆使することで、効率よく掃除をするのである。こうした分野では先述のように、多くの中国メーカーが参入していて、ネット通販や大型家電量販店などでは定常的に多くの中国製品を扱うようになっている。高機能機の内部は今回報告のRoborock製品とおおむね似通っている。

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