世界半導体製造装置、2022年に1000億米ドル超へ:SEMIが年央市場予測を発表
SEMIが世界半導体製造装置の年央市場予測を発表した。半導体製造装置(新品)の2022年世界販売額は、1000億米ドル規模に達し、過去最高を更新する見通しとなった。
半導体デバイスメーカーの積極的な投資で過去最高を更新へ
SEMIは2021年7月13日(米国時間)、世界半導体製造装置の年央市場予測を発表した。半導体製造装置(新品)の2022年世界販売額は、1000億米ドル規模に達し、過去最高を更新する見通しになった。
半導体製造装置市場は、半導体デバイスメーカーの積極的な投資戦略により、前工程と後工程の両方で拡大が続く。市場規模は2020年実績の711億米ドルに対し、2021年は34%増の953億米ドルが見込まれている。2022年も拡大基調は続くと予想した。
製品分野(ウエハーファブ装置、組み立ておよびパッケージング装置、テスト装置)別にみると、ウエハーファブ装置(ウエハープロセス処理装置、ファブ設備、マスク/レチクル製造装置)市場は、2021年に前年比34%増の817億米ドルへ達し、2022年は約6%増の869億米ドル規模になると予測した。
ウエハーファブ装置に対する投資の中で、ほぼ半分を占めるのが「ファウンドリ」と「ロジック」の分野である。最先端のプロセス技術に対する投資意欲は根強く、2021年は前年比39%増の457億米ドルと予測する。2022年も前年比8%の増加を見込む。
「メモリ」分野では、DRAM向けの装置投資が2021年に46%増の140億米ドルを超える。NANDフラッシュ向けの装置投資は、2021年に13%増の174億米ドルとなり、2022年は9%増の189億米ドルと予測した。
この他、組み立ておよびパッケージング装置市場は、2021年に56%増の60億米ドルとなり、2022年にはさらに6%増加する見通し。テスト装置市場は、5G(第5世代移動通信)やHPCに向けた半導体需要が活発となり、2021年は26%増の76億米ドルとなり、2022年にはさらに6%の伸びを見込んでいる。
国/地域別の市場予測も行っている。2021年における設備投資の上位3カ国は韓国、台湾、中国である。首位となる韓国は、メモリ市場の回復と最先端ロジックおよび、ファウンドリへの積極的な投資が装置市場の伸びを支えると分析した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
2021年の半導体新工場着工数19件、22年も10件の計画
SEMIは2021年6月22日(米国時間)、半導体工場に関する予測レポート「World Fab Forecastレポート」の最新版を公開し、2021〜2022年の着工を予定する半導体新工場建設計画が世界で29件あることを明らかにした。米政府、半導体のR&Dに520億ドル投入へ
2021年6月8日(米国時間)、米国上院が520億米ドルを国内の半導体研究/製造に割り当てるという画期的な法案を可決した。それにより、米国による半導体製造の“国内回帰”の取り組みへの焦点は下院へと移った。半導体製造装置、前年同期比で51%増と大幅伸長
SEMIによると、2021年第1四半期(1〜3月)の半導体製造装置(新品)世界総販売額は、235億7000米ドルとなった。前期(2020年第4四半期)に比べ21%の増加、前年同期(2020年第1四半期)に対しては51%増と大幅に伸長した。半導体不足で200mm工場の生産能力が急成長へ
半導体の製造装置および材料の業界団体であるSEMIが2021年5月25日(米国時間)に発表した調査によると、200mmウエハー工場の生産能力が、2020〜2024年までに17%増に当たる月産95万枚を増加し、過去最高となる月産660万枚に達するペースで拡大しているという。ファウンドリー投資が続く半導体業界
世界の半導体メーカーは、製造施設の拡張や稼働率の詳細を明らかにしていないが、市場予測によると、主にメモリ需要の回復によってフロントエンドの生産能力が着実に増加する見通しだという。2021年1〜3月ウエハー世界出荷面積、過去最高に
SEMIは2021年5月3日、2021年第1四半期(1〜3月)のシリコンウエハー世界出荷面積が前四半期(2020年第4四半期)比4%増の33億7000万平方インチで、四半期としての世界出荷面積として過去最高を更新したと発表した。【訂正あり】