HDD大手Seagateの四半期業績は4期連続の増収増益に:福田昭のストレージ通信(204)(1/2 ページ)
今回は、米Seagate Technologyの2022会計年度第1四半期(2021年7月〜9月期)の業績を紹介する。
売上高は4四半期連続で前の四半期を上回る
ハードディスク装置(HDD)の大手ベンダーである米Seagate Technology(以降はSeagateと表記)と米Western Digital(以降はWDと表記)が、四半期の業績を相次いで公表した。発表日(現地時間)はSeagateが2021年10月22日、WDが同年10月28日である。そこで今回と次回は、SeagateとWDの四半期業績を続けてご報告する。
Seagateの会計期間は7月から始まり、6月を決算月とする。10月22日に同社が発表したのは2021年7月〜9月の四半期業績で、会計年度では「2022会計年度第1四半期」となる。
2022会計年度第1四半期(2021年7月〜9月期)の売上高は前四半期比(前期比)3.4%増、前年同期比34.6%増の31億1500万米ドルである。売上高は4四半期連続で前の四半期(前期)を上回った。前年同期比では3期連続で増加した。
概況としては、大容量ストレージ製品(マスキャパシティ製品)が前期に続いて全ての用途で好調を維持した。特にクラウドデータセンター分野とVIA(video and image applications)分野からの需要が強かった。既存のストレージ製品(レガシー製品)では一般消費者分野の減少トレンドを、エンタープライズのミッションクリチカル分野による需要増によって一部、キャンセルできた。
2022会計年度第1四半期(2021年7月〜9月期)の営業利益(Non-GAAPベース)は前四半期比(前期比)14.8%増、前年同期との比較では2.13倍の6億2700万米ドルである。粗利益率(Non-GAAPベース)は31.0%で、前の四半期から1.4ポイント増加した。売上高営業利益率(Non-GAAPベース)は20.1%で、前の四半期から2.0ポイント上昇した。
Seagate Technologyの四半期業績の推移(売上高と営業利益(GAAPベース))。同社の公表資料から筆者がまとめたもの。なお、営業利益はGAAPベースなので本文の数値(Non-GAAPベース)とは異なる[クリックで拡大]
HDDの前期比売り上げは4四半期連続で上昇
Seagateは製品別の売上高を、「HDD製品」と「その他(SSD製品やシステム・ソリューションなど)の製品」に分けて公表してきた。売り上げのほとんどを占めるのは、「HDD製品」である。
2022会計年度第1四半期(2021年7月〜9月期)に「HDD製品」の売り上げは前四半期比(前期比)4.6%増、前年同期比34.0%増の28億6400万ドルとなった。前期比は4四半期連続で上昇した。前年同期比は前期に続いて増加となっている。
2022会計年度第1四半期(2021年7月〜9月期)に「その他(システム・ソリューションやSSD製品など)の製品」の売り上げは2億5100万ドルである。前年同期比は41.8%増と大きく伸びているものの、前期比は9.1%減と下降に転じた。前の四半期まで前期比は、3四半期連続で増加していた。
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