アドバンテスト、V93000用デジタルカードを発表:高速インタフェースで処理能力向上
アドバンテストは、SoCテストシステム「V93000」向けの新たなデジタルカード「Link Scale」を発表した。このカードをテストヘッドに実装することで、高速シリアルインタェースを介して、高速スキャンテストやソフトウェアベースのファンクションテストが可能となる。
高速スキャンテストやソフトベースのファンクションテストを実現
アドバンテストは2021年11月、SoC(System on Chip)テストシステム「V93000」向けの新たなデジタルカード「Link Scale」を発表した。このカードをテストヘッドに実装することで、高速シリアルインタェースを介して、高速スキャンテストやソフトウェアベースのファンクションテストが可能となる。
V93000は、スケーラブルなプラットフォームアーキテクチャを採用している。このため、用意したさまざまなデジタルカードを組み合わせることによって、安価なIoT(モノのインターネット)デバイスから、車載用の高機能デバイス、さらには高性能マルチコアプロセッサまで、幅広いデバイスのテストを行うことができる。
Link Scaleは、USBやPCIeなどの高速デジタルインタフェースを介して、ファンクションテストやスキャンテストのデータを高速伝送することが可能となり、テストカバレッジとスループットの両方を高めることができるという。しかも、最終製品に実装されるファームウェアやドライバーが動作する環境で、デバイスのテストを行うことが可能である。
高速インタフェースの採用によりスループットが向上し、従来と同等のテスト時間であれば、ファンクションテストの項目を増やすことができる。ローターバッハ製のデバッグツール「TRACE32」を併用することで、シリコン投入からプロセスの立ち上げ、量産に至るまでの開発効率を改善することが可能となる。
また、「ポータブルスティミュラス標準(PSS)」に準拠しており、設計段階のテスト環境を、デバイスのテスト工程でも活用することができ、テスト品質の向上と市場投入までの時間短縮を可能にした。さらに、前工程や後工程、システムレベルなど、異なる試験環境におけるテストデータの交換も容易なため、個別に製造した複数のダイを接続してSoCとする、チップレットのKGD保証などにも有効だという。
Link Scaleは、V93000の「Smart Scale」シリーズと「EXA Scale」シリーズで利用できる。2022年1〜3月期より、幅広いユーザーに販売していく予定である。
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