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LoRa利用したIoTネットワーク新製品を発表、Amazon最大8km離れた数百台と接続(1/2 ページ)

Amazonは、最新の「Sidewalk」製品を発表し、IoT(モノのインターネット)分野への進出を目指している。「Amazon Sidewalk Bridge Pro」は、LoRa(Long Range)プロトコルを使用して、屋内または屋外アンテナで最大8km離れた数百台の互換性のあるIoT デバイスを接続する堅牢なデバイスだ。

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Amazon Sidewalk Bridge Pro 出所:Amazon

 Amazonは、最新の「Sidewalk」製品を発表し、IoT(モノのインターネット)分野への進出を目指している。「Amazon Sidewalk Bridge Pro(以下、Bridge Pro)」は、LoRa(Long Range)プロトコルを使用して、屋内または屋外アンテナで最大8km離れた数百台の互換性のあるIoT機器を接続する堅牢なデバイスだ。

 Amazonは、「このブリッジユニットは、商業地区や公園、荒野地域の大気質(AQ:Air Quality)インジケーターや湿度センサー、太陽光検出器などのデバイスを接続できる」と説明している。Bridge Proの価格はまだ公表されていない。

 Bridge Proを最初にテストするのは、米Arizona State University(アリゾナ州立大学)のテクノロジーオフィス(UTO)で、キャンパス内の接続デバイス(CO2検出器や粒子カウンター、温度センサーなど)をどのようにサポートできるかを試す予定だ。同大学のTempeキャンパスの青色街灯にSidewalk Bridgeを配置して、Sidewalk Bridgeの長距離放送をサポートする。Tempeキャンパスは、学生や職員の緊急ステーションとしての役割を担っている。

LoRaでのライバルたち

 LoRaWANは、無線変調技術「LoRa」上に構築されたライセンス不要の低電力広域ネットワークプロトコルである。

 AmazonがLoRaネットワークプロバイダーの分野に進出することは、LoRaWANネットワークを運営している世界の166の事業者にとっては良くないニュースかもしれない。

 EveryNetは全米にLoRaWANネットワークを展開し、「世界最大のネットワーク事業者である」と主張している。2021年12月に米テキサス州ダラス/フォートワース地区や米国のその他の主要都市にLoRaWANネットワークを拡張し、現在、米国の上位36の大都市圏にLoRaWANネットワークを展開する。同社は、スマートシティーやインフラ、公益事業者による水道と電気システムの監視の実現に注力している。

 Senetは、「米国で最大規模のキャリアグレードの公共LoRaWANネットワークを提供している」と述べる。同社は、企業顧客へのIoTカバレッジの提供に重点を置く企業だ。

 Senetは、世界最大規模のDIY IoTネットワークを運営するHeliumと提携している。Heliumは、LoRaWANベースのネットワークを使用して、スマートシティーセンサーからドッグトラッカーまで、あらゆるものをサポートする。Heliumは最近、CBRS(Citizens Broadband Radio Service:市民ブロードバンド無線サービス)を利用した5G(第5世代移動通信)ゲートウェイの開発を開始したため、いずれはIoT分野から離れる可能性もあるが、現時点では世界で47万3305のIoTホットスポットを運営している。

 AmazonのSidewalkプロトコルとHeliumがIoTホットスポットの展開に使用しているワイヤレス技術「LongFi」は、どちらもLoRaの仕様をベースにしている。両社が提供する技術は、カバレッジの範囲とアプリケーションの用途が類似している。そのため、HeliumはAmazonのSidewalkの発表に戦々恐々としていると思われる。

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