差し込むだけでセキュリティが向上、microSDカード:データを暗号化しながら書き込む(1/2 ページ)
産業用途向けのフラッシュストレージを手掛けるスイスのSwissbit(スイスビット)は、2021年11月にセキュリティ機能付きのmicroSDカード「iShield Camera」を発表した。
データを暗号化しながら書き込むmicroSDカード
産業用途向けのフラッシュストレージを手掛けるスイスのSwissbit(スイスビット)は、2021年11月にセキュリティ機能付きのmicroSDカード「iShield Camera」を発表した。
名前の通り、ドローンやボディーカメラ、アクションカメラなど、カメラを搭載している機器に向けたmicroSDカードで、データを暗号化しながら書き込むので、データの改ざんや、管理者以外の人間によるデータへのアクセスといった不正に対してセキュリティを高めることができる。
使用には、Swissbitが無償で提供するソフトウェアツール「iCCT(Swissbit iShield Camera Card Tool)」が必要になる。iCCTをインストールしたホストPC(Windows、MacOS、Linuxのいずれにも対応)で、iShield Cameraのセキュリティ設定を行う。具体的にはPINを登録する。登録するとセキュリティ機能がオンになるので、そのまま機器に差し込むだけで、データを書き込む際に暗号化されるようになる。iShield Cameraに保存されたデータを読み出すには、ホストPCでPINを再度入力する必要があるので、一般環境ではデータを読み出すことができない。そのため、例えば「ドローンが誰かに拾われて、中のデータを見られてしまう」といったことも防げる。
SDカードのスロットがあればデータのセキュリティを高められることが、大きな特長だ。日本法人であるスイスビットジャパンの代表取締役を務める友森健一郎氏は、「既存の機器にセキュリティを追加したいというニーズは非常に高い。iShield Cameraは、こうしたセキュリティ機能が構築できていない機器への“追加機能”として理想的な製品だ」と語る。
暗号化はAES 256ビット方式で行われる。暗証番号は16桁まで設定可能だ。書き込み寿命は3000回で、データ保持年数は無通電で最大10年間である。転送速度はUHSスピードクラス1、スピードクラス10で、フルHD動画を十分にサポートできる。
iShield Cameraの容量は16Gバイトと32Gバイトで、近い将来、大容量化していく。友森氏によれば、2022年前半には、64Gバイトや128Gバイトまで追加する予定だという。
iShield Cameraは現在サンプル入手が可能だ。価格は、同等の容量のmicroSDカードに比べて「約30%増」(友森氏)程度になるという。
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