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サンケン電気、スイッチング電源用パワーICを量産:全ての負荷範囲で高い効率を実現
サンケン電気は、パワーMOSFETと電流モード型PWM制御ICを1パッケージに集積したPWM型スイッチング電源用パワーIC「STR6A153MVD」を開発、量産を始めた。
過電流や過電圧、加熱などに対する保護機能も充実
サンケン電気は2022年1月、パワーMOSFETと電流モード型PWM制御ICを1パッケージに集積したPWM型スイッチング電源用パワーIC「STR6A153MVD」を開発、量産を始めた。白物家電や産業機器、OA機器などの用途に向ける。
STR6A153MVDは、負荷に応じて動作モードが自動で切り替わる。重負荷時の定常動作に加え、中負荷時には「グリーンモード」、軽負荷時には「バースト発振モード」となる。これにより、定常動作から軽負荷動作まで、全ての負荷範囲で高い効率を実現する。定常動作時の発振周波数は65kHzだが、軽負荷時には最低25kHzとなる。
この他、ソフトスタート機能、ランダムスイッチング機能、スロープ補正機能、バイアスアシスト機能などを搭載。保護機能も充実している。過電流保護(OCP)やタイマー内蔵過負荷保護(OLP)、過電圧保護(OVP)、過熱保護(TSD)などを備えた。
STR6A153MVDの主な仕様は、出力電力が28W、耐圧は650V、動作電圧は最大32V、オン抵抗は最大1.9Ω、無負荷時の消費電力は15mW以下となっている。パッケージは外形寸法が6.5×9.4×3.40mmのDIP8で供給する。
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