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光トランシーバーのForm Factorの新動向(8) 〜CPO/NPOと新しいデータセンター光伝送技術を知る(19) 光トランシーバー徹底解説(13)(3/4 ページ)

前回の記事でお問い合わせを多くいただいたのが、新しい規格と紹介したNPO(Near Package Optics)と、CPO(Co-packaged Optics)が適用されると想定した新しい適用システムとして紹介したDisaggregated Systemに関してであった。今回はそれを少し詳しく触れてForm Factorの締めくくりとしたい。

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Disaggregated SystemとHigh Radix Switch Network

 新しいデータセンターで注目されているのがResource Disaggregationである。何度も述べているが、クラウドデータセンターではサーバのVirtualization(仮想化)とNon Block Clos Switch Networkにより要求されるサービスに応じて、無駄の少ない柔軟な運用を実現した。これをさらに進めてノードやメモリを仮想化し、運用できれば、無駄をなくすことだけではなく、さまざまなAI/ML/HPCのアプリケーションに対応できる。

 ハイパースケールデータセンターが実用化される2010年代以前から、”Rack-Scale Disaggregated System”が議論されていた。図4に、NECのReconfigurable Computingを実現するResource Disaggregated Platformを示した。


図4:Resource Disaggregated Platform 出所:NEC

 Virtualizationにより、アプリケーションに応じてPhysical LayerのCPU、メモリ、IOなどを必要に応じて接続し計算するのである。図5にIntelのRack Scale Design Architecture(RSD)を示す。CPU、ストレージやアクセラレーターなどをプールしたブロックを組み込み、アプリケーションに応じて計算システムを構成するのである。


図5:IntelのRSD 出所:Intel white paper “Intel Rack Scale Design Architecture

 図6は、2013年のPLX Technology(2014年にBroadcomが買収)のプレゼン資料にあるRack Scale Integrationである。サーバの要素であるCPU、GPU、メモリ、ネットワークインタフェースなどのリソースをトレイに多数搭載し、PCIeスイッチと高速PCIeリンクで接続し、アプリケーションごとに必要なリソースを割り当てるという。将来のPCIe接続が高速化されれば、光技術が必要になることを期待して注目していた。


図6:Rack Scale Integration 出所:PLX Technology

 さて、2022年のDisaggregated SystemはScale UPとScale OUTを可能にし、初期導入コストだけでなく維持管理コストを含めた投資、いわゆるTCO(Total Cost of Ownership)の最適化を図るものでなければならない。Rack-Scale Disaggregated Serverは着々と進められていくように思う。

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