偏光板と部材フィルム市場、2022年は6億6040万m2:矢野経済研究所が世界市場を調査
矢野経済研究所は、ディスプレイに用いられる偏光板と部材フィルムの世界市場(生産面積)を調査した。2022年の生産面積は6億6040万m2と予測した。2021年に比べて6.2%の増加になる。
55型や43型以下のTVパネルが減産傾向、巣ごもり需要が一段落
矢野経済研究所は2022年2月、ディスプレイに用いられる偏光板と部材フィルムの世界市場(生産面積)を調査し発表した。TVパネルメーカーの生産調整などマイナス要因もあるが、大画面化などにより2022年の生産面積は6億6040万m2と予測した。2021年に比べて6.2%の増加になる。
今回、調査の対象になった製品は、TFT-LCDパネルやAMOLED(アクティブマトリクス式有機EL)といったディスプレイに用いられる偏光板と主要部材フィルム(位相差フィルム、PVA保護フィルム、表面処理フィルム)などである。調査は2021年9〜10月に実施した。
調査によると、2021年における偏光板と部材フィルムの世界市場は、6億2170万m2になる見込み。2020年に比べ7.8%の増加である。LCDモード別では、全生産量のうち99%をLCD-TFT向けが占める。
市場の成長を鈍化させる材料もある。2021年10月よりLCDディスプレイメーカー向けの出荷量が減少していることだ。コロナ禍による巣ごもり需要が一段落し、55型や43型以下のTVパネルは減産傾向にある。この動きは2022年2月まで続くとみている。こうした中で期待するのは、65型以上などTVパネルの大画面化。サイズの拡大が貢献し、出荷面積は2022年以降も年率5%程度の成長が続くと予測した。
調査では、主要偏光板メーカーにおける2021年の生産シェアも予測した。首位は約24%のシェアを確保する見通しの「杉金光電」。2位が住友グループ(住友化学、東友ファインケム、住華科技)でシェアは約22%。3位は「サムスンSDI」、4位は「日東電工」となる。さらに、HMO(恒美光電)や台湾BMC、CMMT、SAPOなどが続く。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 量子コンピュータ市場、2030年度は2940億円規模へ
矢野経済研究所は、国内の量子コンピュータ市場(サービス提供事業者売上高ベース)を調査し、2030年までの市場予測を発表した。2021年度見込みの139億4000万円に対し、2030年度は2940億円規模に達する見通しである。 - ワイヤレス給電、2031年に約1兆5500億円市場へ
矢野経済研究所は、ワイヤレス給電の世界市場(事業者売上高ベース)を調査、2031年までの用途別市場規模を予測した。市場規模は2021年の4301億円に対し、2031年は1兆5496億円に拡大する見通しである。 - LiB市場、2025年に約500億米ドル規模へ
リチウムイオン電池(LiB)主要4部材の世界市場は、2020年の約233億米ドルに対し、2025年は約500億米ドルの規模に達する見通しである。矢野経済研究所が調査した。 - LiB市場、2030年には最大1809.2GWhの規模へ
車載用リチウムイオン電池(LiB)の世界市場(容量ベース)は、2020年の167.5GWhに対し、2030年は764.4G〜1809.2GWhに拡大する。矢野経済研究所が調査し、市場規模を予測した。