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TDKが秋田県に工場新設へ、めっき技術の活用強化:投資額は約90億円
TDKは2022年3月18日、電子部品の新しい生産拠点として、秋田県にかほ市に「稲倉工場西サイト」を建設すると発表した。
TDKは2022年3月18日、電子部品の新しい開発、生産拠点として、秋田県にかほ市に「稲倉工場西サイト」を建設すると発表した。第一期の工場建設を同年4月から開始する。新工場は2階建てで延床面積は約1万3000m2。2023年4月に完成予定で、量産開始は2023年9月を予定している。投資金額は建屋および設備で約90億円。
新工場では、TDKが強みを持つ磁性材料技術およびめっき技術を活用することで、革新的な電子部品の開発と量産を目指す。具体的には、NFCコイルや非接触給電コイルモジュールなどで、「めっきによってコイルパターンを形成する技術を応用する。磁性シート上にワイヤを巻いて形成する従来の技術に比べて薄くできるというメリットがある」(TDK広報)
同工場では、電力を100%、再生エネルギーでまかなう予定で、TDKの発電、蓄電技術を活用するエネルギーマネジメントシステムを導入する。
昨今、半導体/電子部品メーカー各社が、部品不足を受けて生産能力を増強すべく新工場の建設を発表している。稲倉工場西サイトの建設はそれとは目的が異なるが、TDKの既存工場では、部品不足に対応すべく、MLCC(積層セラミックコンデンサー)など既存製品の生産能力増強も並行して行っている。「年率10%の増産をかけている」(TDK広報)とする。
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