車載対応の第4世代PCIeスイッチ、Microchip:ADASアプリケーション向けに(1/2 ページ)
Microchip Technology(以下、Microchip)は、ADAS(先進運転支援システム)アプリケーションに使用されるCPUとアクセラレーターのビルディングブロックを接続するために必要な低遅延と高帯域幅を提供する、車載対応PCI Express(PCIe)スイッチを発表した。
Microchip Technology(以下、Microchip)は最近、ADAS(先進運転支援システム)アプリケーションに使用されるCPUとアクセラレーターのビルディングブロックを接続するために必要な低遅延と高帯域幅を提供する、車載対応PCI Express(PCIe)スイッチを発表した。
PCIeは、高速データ転送と遅延の低減が不可欠なデータセンター市場で長年にわたって採用され、成功を収めてきた。これは主に、PCIeデバイスのマルチレーンリンクによる拡張性と、下位互換性、さまざまなオペレーティングシステムやソフトウェア、ドライバによって提供されるサポートによるものだ。
「車輪の付いたデータセンター」化するクルマへの対応
同じ理由で、CPUや特殊なアクセラレーターデバイスに超低遅延で低消費電力の帯域幅拡張性を提供するコンピュータ相互接続ソリューションとして、PCIeは自動車業界でも推奨されるようになっている。今回、Microchipが発表した「Switchtec Gen 4 PCIe」は、同社の幅広いPCI Expressスイッチポートフォリオを強化し、ADASの要件に対応して、セーフティクリティカルな分散型リアルタイムデータ処理をサポートする高速接続を実現するという。
MicrochipでPCIeスイッチ製品のマーケティングおよびアプリケーション担当ディレクターを務めるKrishna Mallampati氏は米国EE Timesのインタビューで、「当社は、Gen 4 PCIeスイッチの車載認証の取得に5年間取り組んできた。自動運転システムには、ミッションクリティカルなアプリケーション向けのGen 4 PCIeインタフェースに対応した、CPUやGPU、SoC(System on Chip)が搭載されている。こうした理由から、当社はGen 4スイッチの車載認証の取得を決意した」と述べている。
Switchtec Gen 4 PCIeスイッチファミリーの主要な機能は、以下の通りだ。
- 高速インターコネクト Gen 4 PCIeデバイスは、前世代のスイッチの2倍の速度16GT/s(トランスファー/秒)を備えている。これは、短時間で意思決定を行うためにできるだけ速くデータを送信する必要がある自動運転アプリケーションにとって不可欠である。
- 低遅延 Gen 4 PCIeスイッチの遅延時間は、ピンツーピンで110ナノ秒(ns)である。
- スケーラビリティ Switchtecファミリーは、最大28レーン、36レーン、52レーン、100レーンの製品を用意している(車載認証バージョンの場合は最大52レーン)。この高い拡張性によって、顧客はあるデバイスから別のデバイスに切り替えて、最大52接続を構築することができる。
- 包括的な診断とデバッグ 同ファミリーの全デバイスはMicrochipが提供する、診断およびデバッグツール「ChipLink」をサポートしている。
Mallampati氏は、「これは、当社が5年間出荷し、データセンターで大きな成功を収めてきたGen 4 PCIeスイッチ製品ファミリーだ。自動運転は車輪の付いたデータセンターとも呼ばれることから、当社は、データセンター向けのこれら全ての機能にいくつかの機能を加えて、車載認証を取得するために標準的な自動車テストを進めてきた」と述べている。
車載用半導体の信頼性規格「AEC-Q100」のグレード2では、-40℃〜+105℃の周囲動作温度範囲や、温度試験、製造バーンイン、システムレベル試験といった、より厳しい要件が定められている。
Mallampati氏は、「これらは、品質と信頼性に関する全てのテストを行っていることを保証するために、出荷前のチップに対して実施するテストだ。その後、顧客がシャシー全体と車全体に対して独自のテストを実施する」と述べている。図1は、車載対応Switchtecのポートフォリオだ。
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