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世界半導体生産能力、57%をトップ5社が占める各社の戦略を比較(1/2 ページ)

米国の市場調査会社Knometa Research(以下、Knometa)によると、Samsung Electronics(以下、Samsung)とTSMC、Micron Technology、SK hynix、キオクシア/Western Digital(以下、WD)の世界シリコンウエハー生産量のシェアは、2021年末までに合計57%に拡大したという。Knometaは報告書の中で、「業界がトップヘビー構造になっていることで、これら企業のシェアは2020年から1%増加した」と述べている。

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 米国の市場調査会社Knometa Research(以下、Knometa)によると、Samsung Electronics(以下、Samsung)とTSMC、Micron Technology、SK hynix、キオクシア/Western Digital(以下、WD)の世界シリコンウエハー生産量のシェアは、2021年末までに合計57%に拡大したという。Knometaは報告書の中で、「業界がトップヘビー構造になっていることで、これら企業のシェアは2020年から1%増加した」と述べている。

統合が進んだ半導体メーカー

 Knometaの創設者であるTrevor Yancey氏は、「ICメーカーの統合によって、ウエハーの年間生産量は以前ほど劇的に変化することはなくなっている。メーカー数が減少したことで、需要に対する供給の全体的な調整が改善した。多くのメーカーがより多くの市場シェアを獲得しようと競っていた頃は、過剰生産が今よりもっと一般的で顕著だった」と述べている。

 Knometaはその上で、「統合はトップ企業に利益をもたらすが、サプライヤーのリスクを増大させる」とも指摘している。

 Yancey氏は、「機器サプライヤーと材料サプライヤーは、顧客基盤の減少によって、おそらく最も潜在的なリスクを抱えている。顧客が減少すると、これらの企業は価格設定に関するレバレッジを失ってしまう。さらに、非常に少ない顧客やたった1社の顧客に依存しなければならない場合は、ビジネスの持続可能性にもリスクが及ぶ」と話している。

 10年前は、上位5社の半導体メーカーの生産容量が占める割合は、約40%だった。


2021年の半導体メーカーの生産能力トップ5[クリックで拡大] 出所:Knometa Research

大規模投資を進めるTSMCとSamsungの競争

 Samsungは2021年に、業界最大の半導体生産能力を持つ供給元としてリードを広げた。2021年末には、世界全体のICウエハー生産量の19%を占め、TSMCより44%多く生産能力を持つ。Knometaによると、Samsungは2020年に設備投資を45%増強し、2021年には有効生産能力を大幅に増やしたという。生産能力拡張予算のほとんどは、韓国のピョンテク市にある複数の300mm生産ラインに投じたという。

 Samsungの生産量は、2017年当時の生産能力を基準にすると、2026年までに3倍になると予想される。現在の生産能力プロジェクトには、米国テキサス州テイラーに170億米ドルを投じて建設中の新工場が含まれ、TSMCと競合する最先端プロセスのファウンドリーサービスの拡張に向けて同社の強力な推進力をサポートするものとなっている。

 一方、TSMCは強い需要を受けて、今後数年間で生産能力を大幅に増強する計画に着手した。最近の拡張は、台湾の台南にある工場「Fab 18」を中心に行っている。

 Knometaによると、TSMCが成熟した技術ノード、特に28nmの生産量を増やしている背景には半導体不足もあるという。同社は需要に対応するために、中国の工場「Fab 16」を拡張し、2023年半ばまでに生産能力を倍増させる計画だという。

 TSMCは現在、世界各地にある3カ所の“グリーンフィールドサイト(未開発の工業用地)”での建設計画を進めている。計画の第一段階には、米国アリゾナ州フェニックスにある広大な製造施設「Fab 21」の建設が含まれる。この施設では、2024年に300mmウエハーの生産を開始する予定である。120億米ドルが投じられるFab 21のフェーズ1プラントでは、5nm技術を用いたチップを製造する計画だ。さらにTSMCは、2024年の生産開始を目指して、ソニーセミコンダクタソリューションズと共同で70億米ドルを投じて日本の熊本県に300mm製造施設を建設する計画だ。加えて、TSMCは2021年11月、別の複合的な製造施設の用地として台湾 高雄市を選択したことを発表した。

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