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EV急速充電器など向けの1200V耐圧SiC MOSFET、Infineon熱性能の改善なども(1/2 ページ)

Infineon Technologiesは2022年4月13日(ドイツ時間)、高い信頼性を損なうことなくスイッチング動作条件を拡張するなどした新しい1200V耐圧SiC(炭化ケイ素)MOSFET「CoolSiC MOSFET 1200 V M1H」シリーズを発表した。電気自動車(EV)急速充電器や太陽光発電システムなど幅広い産業用アプリケーションでの採用を狙う。同月20日、同社日本法人インフィニオン テクノロジーズ ジャパンが同製品についての説明を行った。

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 Infineon Technologiesは2022年4月13日(ドイツ時間)、高い信頼性を損なうことなくスイッチング動作条件を拡張するなどした新しい1200V耐圧SiC(炭化ケイ素)MOSFET「CoolSiC MOSFET 1200 V M1H(以下、M1H)」シリーズを発表した。電気自動車(EV)急速充電器や太陽光発電システムなど幅広い産業用アプリケーションでの採用を狙う。同月20日、同社日本法人インフィニオン テクノロジーズ ジャパンが同製品についての説明を行った。

 M1Hは、同社がこれまで提供してきたCoolSiC MOSFET「M1」シリーズの改良版という位置付けの製品だ。デバイスの基本コンセプトやセルレイアウトについては大きく変更がないが、新たな技術の採用によって、信頼性を損なうことなくスイッチング動作条件を拡張したほか、熱性能の大幅な改善なども実現している。同社はM1Hをディスクリート品とモジュール製品の2通りで提供する。


CoolSiC MOSFETの「M1」シリーズの主な特長[クリックで拡大] 出所:インフィニオン テクノロジーズ ジャパン

スイッチング動作条件の拡張と低オン抵抗化

 同社はまず、スイッチング動作条件の拡張について説明した。同社によると、従来製品では、逆バイアスをかけ高周波でスイッチングを長期間繰り返すと、閾値電圧に変動が見られることから、その影響を受けないエリアを「ゲート電圧推奨領域」としていた(下図左)という。今回M1Hでは、ゲート周りの改良によって、1k〜1000kHzまで幅広い周波数範囲でゲート-ソース間の最大電圧を−10Vまで下げられるようにしたとしている。


従来製品とM1Hのゲート電圧推奨領域の違い。左の2つが従来製品の表で、上はディスクリート品、下がモジュール品の推奨領域だ。M1Hではディスクリート、モジュールともに右表の通り広い電圧推奨領域を実現している[クリックで拡大] 出所:インフィニオン テクノロジーズ ジャパン

 オン抵抗も改善し、同一チップサイズ、同一アプリケーションの場合には従来品のM1と比べ最大12%の低オン抵抗が実現できるという。


M1HとM1のオン抵抗の比較[クリックで拡大] 出所:インフィニオン テクノロジーズ ジャパン

 同社はM1を「Easy 1B」および「Easy 2B」の2種類のモジュールで展開してきたが、今回のM1Hではさらに大型で大容量の「Easy 3B」も新たに導入、より柔軟なカスタマイズも可能にした。M1Hモジュールは3種類のチップサイズを使用し展開するといい、「最も広範囲な産業用ポートフォリオを柔軟にカバーする」としている。また、過負荷条件下については、ジャンクション温度175℃まで対応も可能となった。

左=「Easy 1B」「Easy 2B」「Easy 3B」モジュールの外観/中央=M1Hモジュールの特長/右=M1Hモジュールのポートフォリオ。オレンジは計画中、緑はリリース予定。黒色は既に提供中の製品だ。[クリックで拡大] 出所:インフィニオン テクノロジーズ ジャパン

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