BroadcomがWi-Fi 7対応チップを発表:通信速度は最大11.5Gbps(2/2 ページ)
Broadcomは2022年4月、Wi-Fi 7ポートフォリオの一環として、住宅/エンタープライズのアクセスポイントとスマートフォンを対象とする5つのチップを発表した。
「6GHz帯の開放はWi-Fiにとって大きな進歩」
Broadcomは、MLOの重要性を明確に認識している初期の顧客に、新しいチップをサンプリング出荷しているという。こうした顧客の1社であるExtreme NetworksでCTO(最高技術責任者)兼CPO(最高製品責任者)を務めるNabil Bukhari氏は、「6GHz帯の開放はWi-Fiにとって大きな進歩で、特に当社顧客のビジネスへの影響は大きい。病院で帯域の利用が激しい医療アプリケーションをスムーズに実行できるようになって、患者の治療が向上したり、大規模スポーツスタジアムでタッチレス決済などのサービスを提供できるようになったりしている」と述べる。
「Wi-Fi 7は、MLOのような新機能を提供することでこうした成功を積み重ね、低遅延と高スループットが求められるモバイルアプリケーションを後押しすると期待される。Extreme Networksは、顧客が革新的な新サービスを市場に出すための新たな方法の創造に向けて、Broadcomと協力してWi-Fiの限界を超え続けていくことを誇りに思っている」(Bukhari氏)
また、TP-Link Corporationのバイスプレジデント兼ジェネラルマネジャーを務めるPingji Li氏は、「Wi-Fiの速度は想像できないほどの速さに達しているが、Wi-Fi 7ではさらに一歩進んで、スループットがもはや制限要因ではなくなる。さらに、MLOのような新機能は、ネットワークの安定性と柔軟性を高め、VRや8Kストリーミング、エッジコンピューティング、その他のプレミアムな体験など、あらゆる人にインパクトの強い重大な変化をもたらす新たなアプリケーションを実現すると期待される」と語った。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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