ニュース
TDKが北上工場に新棟建設、MLCCの生産体制を強化:車載用の需要急増に対応
TDKは2022年5月10日、積層セラミックコンデンサー(MLCC)の生産能力を強化するため、TDK エレクトロニクスファクトリーズの北上工場(岩手県北上市)の敷地内に、新たに製造棟を建設すると発表した。
TDKは2022年5月10日、積層セラミックコンデンサー(MLCC)の生産能力を強化するため、TDK エレクトロニクスファクトリーズの北上工場(岩手県北上市)の敷地内に、新たに製造棟を建設すると発表した。新棟は4階建てで、延床面積は約3万3000m2。2023年3月に建設を開始し、2024年6月の完成を予定している。量産は2024年9月に開始する計画だ。
新棟では、MLCCの材料から完成品まで一貫して生産できる体制を整える。背景にあるのは、特に車載向け高信頼性MLCCの需要の急増だ。電気自動車(EV)の普及の他、自動運転やADAS(先進運転支援システム)の進化に伴い、車載用電子部品では、ますます高い信頼性が求められるようになっている。TDKは2021年から、自社および関連会社の増産体制を整えてきた。
TDKは2022年3月に、電子部品の開発/生産拠点として秋田県にかほ市に新工場「稲倉工場西サイト」を建設すると発表した。北上工場の新棟建設は、稲倉工場西サイトに続く、「電子部品のモノづくり強化の第2弾」になるとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- TDKが秋田県に工場新設へ、めっき技術の活用強化
TDKは2022年3月18日、電子部品の新しい生産拠点として、秋田県にかほ市に「稲倉工場西サイト」を建設すると発表した。 - TDK、MLCC製造用のPETフィルムをリサイクル化
TDKは、積層セラミックコンデンサー(MLCC)の製造工程で用いられるPET(ポリエチレンテレフタラート)フィルムを再利用するためのリサイクルシステムを構築した。今後、リサイクルPETフィルムの使用率を高め、廃棄物やCO2排出量のさらなる削減に取り組む。 - 低静電容量、狭公差の車載イーサネット向け高ESD耐量バリスタ
TDKは2022年3月22日、小型、低静電容量および狭公差の車載イーサネット向け高ESD(静電気放電)耐量チップバリスタ「AVRH10C101KT4R7YA8」を開発したと発表した。ESD耐量は2万5000Vの高耐圧で、静電容量範囲は4.7±0.57pFという狭公差を実現。OPEN Allianceの、車載イーサネット100BASE-T1向けESD保護部品の規格に準拠している。 - 高感度磁気センサーで新たな画像診断技術を確立
横浜国立大学とTDKは2021年9月6日、高感度磁気センサーを活用した画像診断技術を開発したと発表した。腫瘍や組織をより高感度で検出できる可能性がある。 - 村田製作所、2021年度も増収増益で過去最高更新
村田製作所は2022年4月28日、2022年3月期(2021年度)通期の決算説明会を行った。2021年度の売上高は、前年比11.2%増の1兆8125億円、営業利益は同35.4%増の4241億円となり、ともに過去最高を更新した。円安効果に加え、主力の積層セラミックコンデンサー(MLCC)が自動車向けやPC向けで大きく増加したことなどが要因となった。