RISC-Vに舵を切ったMIPS、新型コア2製品を発表:高性能プロセッシングを狙う(1/2 ページ)
MIPSが2022年5月、高性能プロセッシングをターゲットとするRISC-Vベースの新製品を発表し、大きな注目を集めている。同社にとって初となるRISC-VベースのマルチプロセッサIP(Intellectual Property)コア「eVocore P8700」と「eVocore I8500」を提供するという。
MIPSがRISC-Vベースのコアを発表
MIPSが2022年5月、高性能プロセッシングをターゲットとするRISC-Vベースの新製品を発表し、大きな注目を集めている。同社にとって初となる、RISC-VベースのマルチプロセッサIP(Intellectual Property)コア「eVocore P8700」と「eVocore I8500」を提供するという。
MIPSは、「eVocore製品ファミリーは、拡張性に優れ、高度にコンフィギュラブルなため、顧客企業は、マルチスレッド/マルチコアCPUのコヒーレントなクラスタを融合させて独自に組み合わせることにより、電力/性能要件への正確な対応が可能になる。こうした機能は、自動車や通信、ネットワーキングなどの他、HPC(High Performance Computing)やデータセンターなどをターゲットとしていく上で貢献するだろう」と述べている。
また、「ヘテロジニアスコンピュータ向けに柔軟な基盤を提供できるよう設計されたIPコアであるため、eVocoreプロセッサや各種アクセラレーターと、コヒーレンス管理との組み合わせをサポートすることで、あらゆる種類のコアやメインメモリ、I/Oデバイスなどの間のL2キャッシュおよびシステムレベルを維持することが可能だ」と続けた。
MIPSは、「RISC-V ISA(命令セットアーキテクチャ)は、UDI(User Defined Instruction)の形式でカスタム機能を追加することができるため、さまざまなハイエンドアプリケーションにおいて必要とされる、実証された強力な機能を独自に提供することが可能だ。市販のRISC-V開発ツールやソフトウェアライブラリとの完全な互換性も備える」と説明する。
eVocore P8700/I8500はいずれも、ハードウェアの仮想化や、ユーザー定義されたカスタム拡張、マルチスレッド、ハイブリッドデバッグ、機能安全性などに向けたサポートを提供する。こうした機能の他、高レベルの拡張性も備えるため、幅広い種類の市場やアプリケーション全体における計算集約型のタスク向けとして最適だといえる。例えば、自動車(先進運転支援システム(ADAS)、自動運転車、車載情報システム)や5G(第5世代移動通信)、ワイヤレスネットワーキング、データセンター、ストレージ、高性能組み込みアプリケーションなどの分野が挙げられる。
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