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「MIPI A-PHY」準拠のチップセット、Valensがサンプル出荷車載向けの高速インタフェース(1/2 ページ)

コネクティビティチップを手掛けるイスラエルのファブレス半導体メーカーValens Semiconductor(以下、Valens)は2022年5月17日、車載向けの高速インタフェース規格である「MIPI A-PHY」に準拠したチップセット(シリアライザおよびデシリアライザ)「VA7000」シリーズのエンジニアリングサンプル出荷を開始した。同社はそれに併せて日本のメディア向けに記者説明会を開催した。

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「MIPI A-PHY」に準拠

 コネクティビティチップを手掛けるイスラエルのファブレス半導体メーカーValens Semiconductor(以下、Valens)は2022年5月17日、車載向けの高速インタフェース規格である「MIPI A-PHY」に準拠したチップセット(シリアライザおよびデシリアライザ)「VA7000」シリーズのエンジニアリングサンプル出荷を開始した。同社はそれに併せて日本のメディア向けに記者説明会を開催した。


ValensのCEO、Gideon Ben-Zvi氏

 MIPI A-PHYは、スマートフォンなどのモバイル機器でほぼ主流となっている高速インタフェース仕様を策定するMIPI Allianceによって、2020年9月にバージョン1.0がリリースされた。MIPI Allianceが2020年9月に発表したプレスリリースによると、MIPI A-PHYの最も重要な役割は「カメラおよびディスプレイと、ドメインECU(電子制御ユニット)との間でデータを高速に伝送すること」だとする。MIPI A-PHYでは、車載環境のEMCに対する高い耐性や、10−19という超低パケットエラー率(PER)、最長15mの伝送距離、16Gビット/秒(bps)のデータレート(ロードマップでは48Gbps以上を達成予定)を実現している。

 ValensのCEO(最高経営責任者)を務めるGideon Ben-Zvi氏によれば、同社の技術がMIPI A-PHY標準規格として採用されたという。

 VA7000シリーズでは、1リンク当たり8Gbpsのデータレートを実現。伝送距離は最長15mで、PERは10−19。低コストの非遮蔽ケーブルとコネクターで運用できるので、BOMコストの低減につながるとする。「既存技術とトータルシステムコストについて比較した場合、大幅な低減を実現している」(Ben-Zvi氏)。VA7000シリーズのデータレートは今後、1リンク当たり16Gbpsまで拡張される予定だ。エンジニアリングサンプルの出荷先は30社以上に上り、日本企業も含まれている。

左=MIPI A-PHYにはValensの技術が採用されている/右=Valensが発表したMIPI A-PHY準拠のチップセット。デシリアライザとシリアライザを2品種ずつ発表した[クリックで拡大] 出所:Valens Semiconductor

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