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潮目が変わりつつある世界半導体市場 ――2022年後半以降の半導体市況展望大山聡の業界スコープ(54)(2/3 ページ)

今回は、2022年後半および、2023年以降の半導体市況の見通しについて私見を述べさせていただく。

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アナログ、マイクロ、ロジックはプラス成長見込めるが……

 ICはアナログ、マイクロ、ロジック、メモリに類別される。


IC別市場規模推移と予測(上段が金額、下段が前年比成長率)[クリックで拡大] 出所:WSTS/2022年春季半導体市場予測

 アナログ市場は2021年比19.2%増という予測。2022年1月から4月までの実績を見ると前年同期比24.9%増、高い成長率を維持しているが、4月の実績が1〜3月の実績に比べて見劣りする。やはり中国のロックダウンの影響が出ているようで、これらの懸念要因を含めて考えると、WSTSの予測に違和感はない。2023年は2022年比5.7%増という予測だが、ここまで低い成長率になることは考えにくい。もろもろの懸念事項はあるが、同10%前後の成長は期待できるのではないだろうか。

 マイクロ市場は2021年比11.4%増という予測。2022年1月から4月までの実績を見ると前年同期比13.7%増、ただし4月の実績は同0.3%増という低い伸びに留まっている。特にMPUが4月に同9.4%減と大きく落ち込んでおり、ロックダウンによるPC減産が影響しているものと思われる。これに対してMCUはロックダウンの影響をほとんど受けておらず、4月も同29.2%増と好調に推移している。今後PC市場にあまり大きな期待ができないことを考えると、マイクロ全体としてはWSTSの予測は順当なレベルにみえる。2023年は2022年比5.3%増という予測だが、筆者としてはこの予測を下限として、10%に近い成長を期待している。

 ロジック市場は2021年比20.8%増という予測で、全製品分野の中で最も高い。2022年1月から4月までの実績を見ると前年同期比29.6%増、高い成長率を維持しており、4月の実績も同27.3%増、ロックダウンの影響は特に見られない。2021年の前年比30.8%増には届かなくても、WSTSの予測を下限として25%前後の成長が期待できる、と筆者は見ている。2023年は2022年比7.3%増という予測だが、アナログ市場と同様、ここまで低い成長率になることは考えにくい。やはり同10%前後の成長は期待できるのではないだろうか。

メモリは供給過剰になる可能性が高いのでは

 メモリ市場は2021年比18.7%増という予測。2022年1月から4月までの実績を見ると前年同期比21.3%増、ただし4月の実績は同7.3%増という伸びに留まっている。地域別に見てみると、米州市場が同37.7%増と好調に推移しているのに対し、中国市場が同13.5%減とマイナス成長に落ち込んでいる。米州メモリ市場はデータセンター向けが中心であり、こちらの需要は好調を維持しているようだが、PC、スマホ向けが中心の中国メモリ市場が低迷している、という実態が浮き彫りになっている。ロックダウンの影響であることは間違いないが、PCやスマホ製品の需要はどうなのか、中国での生産が開始されれば市況は回復できるのか。ロックダウン解除後に中国メモリ市場がある程度回復することは期待できるが、これまでもメモリ市場に品不足は発生しておらず、今後はむしろ供給過剰になる可能性が高い。WSTSの2022年予測に大きな違和感はないが、2023年の2022年比3.4%増というプラス成長予測は楽観的に過ぎるのではないだろうか。筆者としては、2023年のメモリ市場マイナス成長は避けられない、と予測している。

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