消費電力を最大50%削減するエッジAI/HMI向けMPU:embedded world 2022(1/2 ページ)
Texas Instruments(以下、TI)はドイツ・ニュルンベルクで開催された組み込み技術の展示会「embedded world 2022」(2022年6月21〜23日)に出展し、エッジAIおよびHMI(ヒューマンマシンインタフェース)向けのMPU「Sitara AM62」ファミリーのデモを展示した。 AM62ファミリーは、競合製品に比べ消費電力を最大50%削減できるという。
Texas Instruments(以下、TI)はドイツ・ニュルンベルクで開催された組み込み技術の展示会「embedded world 2022」(2022年6月21〜23日)に出展し、エッジAIおよびHMI(ヒューマンマシンインタフェース)向けのMPU「Sitara AM62」ファミリーのデモを展示した。 AM62ファミリーは、競合製品に比べ消費電力を最大50%削減できるという。
AM62ファミリーは、TIが2022年6月2日(米国時間)に発表した新製品で、最大動作周波数が1.4GHzの「Arm Cortex-A53」や「Arm Cortex-M4F」などで構成。Cortex-A53のコア数は1、2、4個の3品種を用意している。
リアルタイムIO機能が可能になるPRU(Programmable Realtime Unit)モジュールやデュアルディスプレイサポートを備えた専用のディスプレイサブシステム、2つのTSN(Time-Sensitive Networking)対応ギガビットイーサネットポートなどを搭載。基本的なカメラをベースとする画像処理機能と、物体の検出や認識などのエッジAI機能を組み合わせ、各種HMIデバイスで低コストの分析機能を実現することができる、としている。
なお、同社の従来品である「Sitara AM335x」と比較すると、「消費電力量を変えることなく約8倍の性能向上を実現した」(説明担当者)という。
TIは同ファミリーの最初のデバイスとして、「AM623」と「AM625」の2種類を用意している。AM623は、物体/ジェスチャー認識機能を備えたIoT(モノのインターネット)および、ゲートウェイを対象とする。一方、3D GPUを搭載するAM625は、エッジAIと最大2つのフルHDデュアルディスプレイを備えた次世代のHMIアプリケーションに対応するとしている。
AM62ファミリーは最大の特長は、上記の機能を低消費電力で実現するという点だ。AM62ファミリーは5種の電源モードを備え、ディープスリープモードでは消費電力を5mW未満、サスペンド(一時停止)状態では7mWに抑えることが可能だという。コア電圧は0.75Vでアクティブ電力は1.5W未満だ。
同社によれば、各種産業用アプリケーションでAM62ファミリーを採用した場合、競合品比で最大50%減を実現できるといい、「電源アーキテクチャの簡素化によって単3電池を使用するアプリケーションを1000時間以上動作させることができる」としている。
AM62ファミリーの電源要件に適合するための専用設計を採用したコンパニオンPMICである「TPS65219」と併用することで、最適な電力性能比実現をさらに簡素化できるという。
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