SkyWaterが18億ドルで米国内に工場を新設へ:官民パートナーシップの一環
米国のファウンドリーであるSkyWater Technology(以下、SkyWater)は、国防総省(DOD)に半導体を供給するほど信頼されている企業である。同社は、米インディアナ州に18億米ドルをかけて半導体の研究開発(R&D)と製造施設を建設する計画だ。
米国のファウンドリーであるSkyWater Technology(以下、SkyWater)は、国防総省(DOD)に半導体を供給するほど信頼されている企業である。同社は、米インディアナ州に18億米ドルをかけて半導体の研究開発(R&D)と製造施設を建設する計画だ。
この施設は、同州ウェストラファイエットにあるPurdue University(パデュー大学)のキャンパス(『Discovery Park District』と呼ばれるエリア)に建設されることになっており、半導体支援策「CHIPS Act」の資金520億米ドルの一部を頼りにした官民パートナーシップとして計画されている。
この投資計画をもとに、SkyWater、パデュー大学、インディアナ州政府は、連邦議会で承認されたCHIPS Actで取り決められた補助金を得られるよう一丸となって取り組んでいる。
SkyWaterのCEOであるThomas Sonderman氏は、事前に準備された声明の中で「当社の半導体製造施設を強化する取り組みは、CHIPS Actからの資金に頼ることになる。連邦政府の投資により、当社は、半導体製造の戦略的なリショアリングに対するニーズに応えるための取り組みをより素早く拡大することができる」と述べた。
SkyWaterの計画は、CHIPS Actが米国半導体業界の再構築や、半導体輸入への依存を減らすことを約束する、新たな投資の促進を示す最新の兆しといえる。2022年6月、大手シリコンウエハーメーカーであるGlobalWafersは、テキサス州シャーマンに300mmウエハー製造施設を新たに建設する計画を明らかにした。米国でそのような投資が行われるのは20年以上ぶりである。
SkyWaterは新たな製造施設について、IP(Intellectual Property)の安全を確保し、より回復力のある包括的なサプライチェーンを支えながら、米国政府と商業的な顧客に利点を与えるものになると述べた。DODもこの計画を支持している。
DODの研究・技術担当国防次官室で主席ディレクターとしてマイクロエレクトロニクスを担当するDevanand Shenoy氏は「SkyWaterによる今回の投資は大きな進歩であり、米国内で強固かつ繁栄するマイクロエレクトロニクス産業を育てる上で、官民パートナーシップの重要性を明確にするものだ」と語った。
SkyWaterは、パデュー大学やその人材パイプラインとの密接な連携から恩恵を受けられるようになると述べる。
パデュー大学は現在、「米国初」であると自ら主張する半導体工学の包括的な学位プログラムを強化している。米国では今後5年間で新たな製造施設がおよそ13カ所建設されることから、米国の大学が現在輩出している数の2倍以上に相当する、5万人の半導体エンジニアが新たに必要になるという。
パデュー大学はこれまでDODとともに、耐放射線を強化したチップや高度なパッケージングなどの開発プロジェクトに取り組んできた。
SkyWaterは現在、米国の2カ所の工場で、90nmプロセスを適用したチップを製造している。同社は2017年、プライベートエクイティファンドのOxbow Industriesが、Cypress Semiconductor(Infineon Technologiesが買収)の子会社であったCypress Foundry Solutionsを買収した際に設立された。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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