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「AI導入が医療機器の世界を変える」、NVIDIA担当者が語る超音波診断やMRIなどで広がる活用(2/5 ページ)

AI(人工知能)ハードウェアならびにソフトウェアの最新の発展は、医療機器の開発に大変革をもたらしている。現在、医療機器の開発では、医療データをリアルタイムで処理、予測、可視化するためにAI技術が幅広く用いられている。また、AIは350種以上のFDA(アメリカ食品医薬品局)認可機器を含め、数えきれないほどの医療機器に用いられており、医療環境において運営上の節約もたらしている。NVIDIAのヘルスケア部門でバイスプレジデントを務めるKimberly Powell氏は「今や医療機器にAIを取り込めるようになった。つまり、魔法が起こり始めるということだ」と述べた。

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AIでノイズ補正、押して運べる小型MRI

 AIはMRIやCTスキャナーの小型化にも役立つ。今日の一般的なMRIには、部屋全体を埋め尽くすような基盤が必要になる。Hyperfineは、AI対応のポータブルなMRIを開発した。車輪付きのため、患者のベッド脇や手術室まで動かすことができる。「Swoop」と名付けられたこのシステムは、既にFDAから認可を得ており、カナダの奥地や遠隔地にいる患者に対して利用されている。


患者のベッド脇に移動し利用できるポータブルMRIスキャナー「Hyperfine Swoop」[クリックで拡大] 出所:Hyperfine

 このケースでは、ノイズの多い画像をAIで補正することで、ポータブルMRIスキャナーでも、申し分のない結果を得ることができる。つまり、低い電界強度と低品質のセンサーを使用しても、画像の忠実度の差をAIで補うことが可能となる。Powell氏は、この技術を、自撮りで滑らかな肌を演出できるスマートフォンのフィルターに例えて、「最終的にどのように見えてほしいかが分かっているため、ノイズの修正が容易になる」と説明している。

 Powell氏はまた、「AIは外科手術、特に外科医が体内をカメラで見るしかできない最新の低侵襲手術に革命をもたらしている」と述べている。

 同氏は、「カメラビューには、『この血管を切ってはいけない』や『この生体組織はここにある』といった、手術中のドクターの判断に非常に役立つ、実に強力な情報を数多く追加することができる。さらに、外科医は、このようなシミュレーション環境でトレーニングを行い、これから行う手術の手順や進め方を正確に把握することができる」と述べている。


AIは、低侵襲手術の際に外科医への助言や誘導を行うことができる[クリックで拡大] 出所:NVIDIA

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