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インタビュー

Tataとタッグを組むルネサス、インド市場での狙いとは独占インタビュー(3/3 ページ)

ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は、コネクテッドデバイスやエンドポイント、エッジインテリジェンスの世界で急速に強みを構築。2022年6月にはインドのTata MotorsとTejas Networksとの主要な戦略的パートナーシップを発表した。今回、米国EE Times は、ルネサスのIoT・インフラ事業本部(IIBU)エグゼクティブバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーSailesh Chittipeddi氏にこの狙いを聞いた。

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インド市場での拡大に向けた策は

――インド市場にどのように対応していくつもりなのか。

 Chittipeddi氏 発表の場でも述べたように、われわれは自動車向けアーキテクチャ開発において、Tata Motorsの活動をサポートしていく考えだ。またTejas Networksについては、前述のように、ルネサスが実行しなければならないものから、その範囲を超える分野に至るまで、シグナルチェーンの開発に取り組んでいく。IoT分野では、プラットフォーム開発を進めていく。

 インドでより多くのエレクトロニクス開発が行われるようにするための同国政府のイニシアチブは、確実に大きな役割を果たし始めるようになるだろう。ルネサスにとってはインド市場に参入する良いタイミングといえる。インド政府は数多くの業界に対し、インドにおける製造だけでなくシステムソリューションの開発も奨励しているからだ。われわれは依然は独自に開発を始めていたが、現在ではTataのようなパートナーを得て、優位に立っている。

――Tataとの協議で収益目標を定めたか? 戦略的契約の要素のうち明らかにされていない点について、言える範囲で教えてほしい。

Chittipeddi氏 教えられることはあまりないが、私が言えることとして、確かにインドには既にセールスチームを置いている。また、このパートナーシップの成果として、われわれはさらに拡張するだろうし、Tata自身の収益成長に向けさらに積極的な目標を設定するだろう。共同で目標を設定するという観点においても、確実にそのような見方をするはずだ。

ルネサスにとっての最大のチャンスとは

――インドでのTataとのパートナーシップから何らかの利益を得る上で、ルネサスにとって最大のチャンスはどこにあると思うか?

Chittipeddi氏 それは時間軸によるだろう。短期的には、チャンスの大半はIoTやインフラ分野にあるはずだ。より長期的には、インドの自動車業界自身が電動化に向けて大きく移行していることから、自動車分野でのチャンスが高まるだろう。時間とともに、チャンスはさらに拡大していくと見ている。インドの自動車分野はいまだ序盤にあるからだ。

――ルネサスがインド市場に参入してどれくらいになるのか?

Chittipeddi氏 存在感は薄いものの、インド市場にはだいぶ前から参入している。

――過去にどのような課題があって、Tataとの新たなパートナーシップを持つに至ったのか?

Chittipeddi氏 10年ほど前まで、インド市場の最大の問題は、「どこか別のところで要件定義/設計された部品をインドで組み立てる」市場であったことだ。中国や台湾のメーカーと協業するのが一般的で、そうしたシステムは基本的に「インドのシステム」というラベルが貼られていた。だが状況は変わりつつある。

 われわれが、この問題を見直すきっかけとなったのは、インドで製品に対する要求が高まっており、その結果、インドでシステムを組み立てる際、部品レベルからサポートする傾向が強まっていることだ。

 以前はそうではなかったが、この傾向は、特にEMS(電子機器製造受託サービス)企業がインドに進出するにつれて、ますます強まっていき、インドの企業自身によって仕様化される部品が増加するだろう。今こそ、われわれが後追いをするのではなく、その先頭に立つべき時なのだ。そして、大規模な開発センターを立ち上げるだけでは、当社が目指す場所にはたどり着けない。

 大手スマートフォンメーカーの中にはインドに拠点の一部を移し、そこで製造を行っているところもある。そのため、この市場に参入するチャンスは確かにある。簡単に言えば、インドでは市場が転換期を迎えているということだ。そこで私たちが問われているのは、その転換期に間に合うか、あるいは遅れてしまうかということだ。

 Tataは、同市場でインドの電気通信会社Reliance Jioを除けば最大のコングロマリットであり、ともに転換期に挑む良い機会を与えてくれた。ルネサスは数年にわたり関係を構築しており、新たなパートナーシップ締結は適切なタイミングだった。

【翻訳:滝本麻貴、田中留美、青山麻由子、編集:EE Times Japan】

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