「iPhone 14 Pro」を分解、4nmチップ採用ではAppleが後発に:この10年で起こったこと、次の10年で起こること(66)(3/4 ページ)
2022年9月に発売されたばかりのApple「iPhone 14 Pro」を分解した。一部の解析結果を紹介する。後半はXiaomiの最新フラグシップ機「Xiaomi 12S Ultra」の分解結果を取り上げ、AppleとXiaomiの2層基板の違いを解説する。
Xiaomiの最新フラグシップ機を分解
図5は、2022年7月に発売されたXiaomiのフラグシップスマートフォン「Xiaomi 12S Ultra」の分解写真である。
背面に大型のカメラ部が備わっているが、背面カバーを取り外すと実際には外観リングほど大きくはない、三眼カメラが搭載されている。ワイドカメラ50M、ウルトラワイド48M、光学ズームカメラ48Mといずれも多画素数のセンサーが用いられている。
カメラは、Xiaomiと老舗のLeicaが共同開発したものだ。梱包ボックスにも本体背面にもLeicaのロゴや文字が記載されている。背面カバーの下にはカメラ、コンピュータ基板、Qi対応非接触充電のコイル、スピーカーなどがビッシリと配置されている。Qiのコイルの下は、大きな電池が搭載されている。
図6は、Xiaomi 12S Ultraの内部の様子である。プロセッサの発熱対策として、ディスプレイの下と基板を接続する部分に大面積のVapor Chamberが設置されている。2021年後半あたりから、多くのスマートフォンで、内部フレームに埋め込む形で大きなVapor Chamberが使われ始めている。以前はヒートパイプを用いる製品が多かったが、2022年のフラグシップではヒートパイプはほぼゼロ。Vapor Chamberにすっかり置き換わっている。
図6の右側は、基板とメインプロセッサの様子である。2チップとも既に開封解析が終わっているが、本報告では内部は省略する。Xiaomi 12S Ultraに採用されているメインのプロセッサは、QualcommのSnapdragon 8+ Gen 1。2021年末の製品から採用されている、Snapdragon 8 Gen 1が、Samsungの4nmで製造されているのに対して、Xiaomi 12S Ultraに使われているSnapdragon 8+ Gen 1は、TSMC 4nm製に変更されている。弊社は両チップとも既に開封と解析を行っており、Samsung 4nmとTSMC 4nmのシリコン面積の差などが明確になっている! 機会あれば報告したい。
また、Xiaomi 12S Ultraは、同社が独自に開発した「C2」というカメラ/AI(人工知能)プロセッサが採用されている。こちらも開封/解析は終了している。さらに、図面にはないがバッテリー系にもXiaomiの独自チップが採用されている。興味のある方はぜひテカナリエレポートで確認していただきたい。
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