キオクシア四日市工場 第7製造棟で量産を開始:162層3D NANDは23年初頭に出荷へ
キオクシアとWestern Digital(WD)は2022年10月26日、キオクシアの四日市工場(三重県四日市市)に完成した第7製造棟(Y7棟)の竣工式を開催した。今回完成した部分は第1期分にあたり、2021年2月に着工、2022年4月に完成した。投資総額は1兆円規模となった。Y7棟の完成により、四日市工場全体の生産能力は従来の1.3倍に増強される。
キオクシアとWestern Digital(WD)は2022年10月26日、キオクシアの四日市工場(三重県四日市市)に完成した第7製造棟(Y7棟)の竣工式を開催した。今回完成した部分は第1期分にあたり、2021年2月に着工、2022年4月に完成した。投資総額は1兆円規模となった。Y7棟の完成により、四日市工場全体の生産能力は従来の1.3倍に増強される。
キオクシア 代表取締役社長の早坂信夫氏は、竣工式の会見で「われわれは、デジタル化を支える上で重要なNAND型フラッシュメモリを世界中の顧客に届ける必要がある。NANDフラッシュは、社会課題を解決する手段としてのベーシックな部品であり、それを製造することで社会に貢献していきたい」と語った。
「Y7棟」竣工式のテープカットの様子。左から、Western Digitalバイスプレジデントのアービング・タン氏、同 技術兼戦略統括プレジデントのシバ・シバラム氏、四日市市長の森智広氏、三重県知事の一見勝之氏、キオクシア社長の早坂信夫氏、同副会長 執行役員のロレンツォ・フロレス氏、同常務執行役員 四日市工場長の松下智治氏、鹿島建設 代表取締役会長の押味至一氏、キオクシア労働組合 四日市支部 執行委員長の山下孝氏
Y7棟は7階建てで、2層構造のクリーンルームを持つ。建屋面積は2万m2。キオクシアの3次元NANDフラッシュ「BiCS FLASH」の第6世代(162層)品および次世代品を製造する。第6世代BiCS FLASHは、第5世代(112層)に比べ、平面方向のセルアレイ密度が最大10%向上し、ダイサイズは40%削減している。ウエハー当たりのビット数は約70%増加するとしている。
Y7棟が完成した4月以降、製造装置の搬入と設置を順次進めていて、初期生産は既に開始している。第6世代BiCS FLASHの出荷は2023年初頭になる見込みだ。
Y7棟のクリーンルーム内部。竣工式の際には、報道機関向けに別のクリーンルームが公開された(写真撮影は不可)。製造装置や自動搬送システムなどが稼働していて、今後、製造装置が設置される予定の空きスペースも確認できた。ただし、現時点で何割の装置が搬入済みかは「非公開」(キオクシア)だという[クリックで拡大] 出所:キオクシア
なお、キオクシアは2022年7月、キオクシア四日市工場の生産設備について、国から最大929億円の助成を受けると発表した。キオクシア広報によれば、この助成金は、Y7棟(第1期)で今後導入する設備の一部に適用される予定だという。
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