「令和版所得倍増計画」の正体 〜全国民参加の不労所得獲得戦略:「お金に愛されないエンジニア」のための新行動論(9)(7/9 ページ)
今回は、「令和版所得倍増計画」について、もう一歩踏み込んで分析してみました。その結果、この計画は、「日本の国民全員参加による、不労所得の獲得戦略」であることが見えてきました。うん、ならば意外に悪くはない、一口乗ってみるかという気にもなってきます。
VII. アクションリスト(実行計画)
うーん、最終章がわずか15行。内容も具体的ではなく、ここは、T.B.D.(未決定)というところなのでしょう。この計画を「やる気がない」ということではない、と信じたいです*)。
*)もし私が改訂版を見落としていたら、教えてください。
以上、「新しい資本主義」についての、現時点でもっとも詳しそうな資料をレビューしてみましたが、これを私なりに総括すると、
(1)官民一体
(2)“分配”重視
(3)“自力”所得倍増
の3つのようです。
しかし、その実現手段においては、相変わらず「技術・イノベーション」「デジタル」頼みであり、具体性がなく、特に『何を選んで、何を諦めるか』がクリアではなく ―― 正直、『政府は、私(たち)に何をして欲しいのか』が、よく分からなかったです。
私は、ソフトウェアのエンジニアであり、AI技術については、以前、「Over the AI ――AIの向こう側に」という連載をしていました。
で、今回の資料を読みながら考えていたのですが、現在のAI技術でも、以下のようなことであれば、十分実現可能なように思えるのです。
デジタル化、というかAI技術の活用という観点では、政府や官公庁は、おもいっきり遅れています。「技術・イノベーション」「デジタル」頼みを叫ぶのであれば、まず”官”がその範(はん)を”民”に示してもらわなければ、”民”が付いてくるわけがありません。
さて、今回のコラムでは(”でも”)、私は、政府の「新しい資本主義」のドラフトに対して、辛辣なコメントを書いてきましたが、これは、甚だしく一方的だと思いますので、最期に私なりに考えた「新しい資本主義」の骨格をご紹介して、今回のコラムを終えたいと思います(江端案をたたきまくって、溜飲を下げてください)。
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