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Rapidusとimecが最先端半導体の研究開発で協業へ協力覚書を締結

Rapidus(ラピダス)とベルギーimecは2022年12月6日、MOC(Memorandum of Cooperation/協力覚書)を締結したと発表した。この同意の下、両者は先端半導体の研究開発において長期にわたる協業を行う計画だ。これに伴い、同日には経済産業省内で、Rapidus 代表取締役社長 小池淳義氏とimecのプレジデント兼CEOであるLuc Van den hove氏によるMOCの署名式が行われた。

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 Rapidus(ラピダス)とベルギーimecは2022年12月6日、MOC(Memorandum of Cooperation/協力覚書)を締結したと発表した。この同意の下、両者は先端半導体の研究開発において長期にわたる協業を行う計画だ。これに伴い、同日には経済産業省内で、Rapidus 代表取締役社長 小池淳義氏とimecのプレジデント兼CEOであるLuc Van den hove氏によるMOCの署名式が行われた。


署名式を終え、MOCを掲げる関係者。写真左からベルギー・フランダース政府首相のJan Jambon氏、imecのLuc Van den hove氏、Rapidusの小池淳義氏、西村康稔経済産業相、Rapidus会長の東哲郎氏

署名式の後には、Van den hove氏から小池氏にウエハーが「ギフト」として贈呈された(同3番目)

 2022年8月に設立されたRapidusは、経産省のポスト5G基金事業における次世代半導体の研究開発プロジェクトの採択先として決定している。同社は、EUV(極端紫外線)リソグラフィを用いた2nmプロセスノードによるロジック半導体の量産を、2027年にも開始する計画だ。

 Rapidusは今後、imecへの技術者派遣などを通じて、最先端半導体技術の共同開発に取り組む。小池氏は「技術者派遣の詳細についてはこれからimecと詰めていくが、主に、EUVを活用するリソグラフィー技術の習得、要素技術の研究開発、(先端半導体の使い道となる)アプリケーションの研究、この3つに主眼を置く」と語った。

 Rapidus会長の東哲郎氏によれば、「タイムラインについてもこれから詳細を決めていくが、Rapidusが計画している2027年の2nmロジック半導体の量産開始に向け、具体的なプロジェクトに落とし込んでいく」という。

 imecのVan den hove氏は、「半導体のサプライチェーンにおいて日本は、材料や製造装置などユニークな“資産”を持っていて、重要な国だと認識している。imecは既に30年以上、日本の半導体業界と良好な協力関係にある。これまで培ってきた技術とエコシステムを生かし、Rapidusをサポートしていく」と強調した。

 小池氏は「今回の長期的な協業の成果により、Rapidusから、社会に貢献する半導体を供給できる日が近づいていることに大きな興奮を覚える。Rapidusの事業を進める上で、国際連携で大きく発展させていくことを大きな目標としている。日本にも強い技術はあるが、自国のみでは成しえないことがあると痛感している。imecとの協業により、EUVリソグラフィー技術を含めた先端技術、将来におけるアプリケーションの研究を進められることは、日本の半導体業界にとって非常に大きな意味がある」と付け加えた。

 なお今回のMOCでは、技術研究組合最先端半導体技術センター(LSTC:Leading-edge Semiconductor Technology Center)との協力も含まれている。ベルギー・フランダース政府首相のJan Jambon氏は「今回のMOC締結により、次世代の半導体開発と、半導体の安全な供給が加速される。日本政府とフランダース政府で、imec、Rapidus、LSTCの研究開発を後押ししたい」と述べた。

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