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「インテリジェントエッジが「産業分野革新の原動力に」、ADIelectronica 2022(1/3 ページ)

Analog Devices(以下、ADI)はドイツ・ミュンヘンで開催された欧州最大規模のエレクトロニクス展示会「electronica 2022」(2022年11月15〜18日)に出展した。会場で取材に応じた同社の産業およびマルチマーケット担当シニアバイスプレジデント、Martin Cotter氏は、「インテリジェントエッジが産業分野におけるブレークスルーの原動力となる」とし、同社の取り組みについて語った。

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 Analog Devices(以下、ADI)はドイツ・ミュンヘンで開催された欧州最大規模のエレクトロニクス展示会「electronica 2022」(2022年11月15〜18日)に出展した。会場で取材に応じた同社の産業およびマルチマーケット担当シニアバイスプレジデント、Martin Cotter氏は、「インテリジェントエッジが産業分野におけるブレークスルーの原動力となる」とし、同社の取り組みについて語った。

大規模なスケーリングと変化、「今まさに産業分野で」


ADIの産業およびマルチマーケット担当シニアバイスプレジデント、Martin Cotter氏 出所:Analog Devices

 ADIにおける売り上げ比率が50%ほどを占める産業分野を担当するCotter氏は、「従来、産業分野では新しいコンポーネント技術の導入が比較的遅く、ソフトウェアへの要求も低かったが、現在、われわれは大きな変革を目の当たりにしている」と説明する。その背景にあるのは、自動化および供給の安定性や生産性向上に対する要求の高まり、そしてサスティナビリティの必要性などといったトレンドだ。

 Cotter氏は、「工場のネットワークがキロビットからギガビットになるなど全く異なる世界が求められ、産業分野はテクノロジー導入を加速している」と言及。「最終アプリケーションへの半導体の影響力は大きく、インテリジェントエッジが重要となる。インテリジェントエッジでの組み込み処理が大きな特長になるのだ」と述べた。

 現在、世界で使用されるエネルギーの80%が化石燃料によるものであり、30%は産業分野で使用されているという。また、電力需要は今後およそ30年で3倍になることが予測されており、同氏は、「パリ協定を達成するには産業界において50%の効率改善が必要となる」と説明。ロボットやAMR(自律走行搬送ロボット)など産業用ロボットの市場は年率20%以上と「1桁台半ばの成長率だった従来の産業用機械とは全く異なる成長を見せている」といい、「工場においてネットワークやデジタルスイッチング、エッジベースのセンシングなどの採用が加速していくだろう」と語った。

 また、「世界の人口が80億人に達する一方、65歳以上の人口の割合は8%から2050年には16%と増加し、現役世代が支える人口が倍になる。この課題解決の鍵となるのが、産業分野における生産性向上だ」とも言及。こうした背景からも高度なスキルセットおよび自動化、さらにインテリジェントなエッジ処理が必要になるとした。


自動化や供給の安定性、サスティナビリティの要求の高まりなどから、「かつては携帯電話で、現在はクルマの電動化/電装化で進んでいるような大規模なスケーリングと変化が、今まさに産業分野において起ころうとしている」という[クリックで拡大] 出所:Analog Devices

 Cotter氏は、「かつては携帯電話で、現在はクルマの電動化/電装化で進んでいるような大規模なスケーリングと変化が、今まさに産業分野において起ころうとしている。ただ、産業分野ではより広域なプラットフォームである必要がある。そのため、ソフトウェアの役割がより重要となる」と説明。ADIのRFや電源、センサーをはじめとするコア技術、そしてプロセッシングやAI(人工知能)/ML(機械学習)といった組み込みデジタル/ソフトウェアなど幅広いテクノロジー群を活用したソリューションによってインテリジェントエッジを強化し、産業分野の課題解決を実現するとしている(右下図はテクノロジー例)

左=ADIの広域なテクノロジーが、インテリジェントエッジの強化に貢献するとしている/右=電力や計測、AIにおいて強みを発揮するADIの技術について[クリックで拡大] 出所:Analog Devices

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