WBGパワーデバイス事業を加速するInfineon:わずか4年でSiCの採用分野は激変(1/3 ページ)
Infineon Technologies(以下、Infineon)にとって、パワーデバイスは長年、注力事業の一つである。特に近年は、カーボンニュートラルをはじめ、グリーン化社会の実現に向けて省エネが強く求められる中、SiC/GaNなどのWBG(ワイドバンドギャップ)パワーデバイス事業を強化している。
Infineon Technologies(以下、Infineon)にとって、パワーデバイスは長年、注力事業の一つである。特に近年は、カーボンニュートラルをはじめ、グリーン化社会の実現に向けて省エネが強く求められる中、SiC/GaNなどのWBG(ワイドバンドギャップ)パワーデバイス事業を強化している。同社でSiCバイスプレジデントを務めるPeter Friedrichs氏は、「WBGパワーデバイスは、インフラや公共交通機関など、われわれの日常生活に関わるさまざまな所で使われる重要なデバイスだ」と語る。
「特に、xEV(電動車)や太陽光発電は今後大きく伸びることが予想されている。これらの分野で採用が進むWBGパワーデバイス市場の未来は明るい」(同氏)
Infineonは、現行のSiパワーデバイスのラインアップを、SiC/GaNパワーデバイスのラインアップで補完していく。例えば、低電圧(定格電圧が20〜400V)のSiパワーMOSFET「OptiMOS」はGaN HEMTで、耐圧600Vのスーパージャンクション型MOSFET「CoolMOS」はGaN HEMTやSiC MOSFETで、650VクラスのSi IGBT「TRENCHSTOP」はSiC MOSFETで補完するといった具合だ。
SiC/GaN市場は、ともに大きく成長していくことが予想されている。SiCは、EVの充電ステーションなどのインフラや再生可能エネルギーに、GaNはチャージャー/ACアダプターや、データセンターでの活用が期待されていて、SiCは2020〜2026年にかけて年平均成長率(CAGR)38%で、GaNは同70%で伸びていくとされる。
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