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2022年の半導体市場分析と2023年予測、ガートナー2023年は前年比6.5%減に(2/3 ページ)

米国の調査会社Gartnerの日本法人ガートナージャパンは2023年2月20日、記者説明会を実施し、同社シニアディレクターアナリストを務める山地正恒氏が、2022年の半導体市場の分析や2023年の見通しについて詳細を語った。

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中国の半導体需要は減少続く、米中貿易摩擦の影響大きく

 2022年の電子機器メーカーによる半導体消費動向トップ10では、消費を増やしたのは、Samsungとソニーグループ(以下、ソニー)の2社のみだった。ソニーは「PlayStation 5」の旺盛な需要が世界的に継続したことから、成長率は16.5%増と、対前年比で最も高くなった。Samsungは、中国におけるスマホの販売比率が低いことや生産拠点をベトナムに置いていることなどから、中国のゼロコロナ政策の影響が競合より少なかったほか、折り畳みスマホが好調で同2.2%増とプラスで着地した。

 半導体需要の推移を地域別に見ると、2019年ごろまで破竹の勢いで伸び続け世界の4分の1程度まで需要を拡大させた中国が、2020年には前年比0.2ポイント増と成長が鈍化。以降は減少を続け、苦戦している状況だという。山地氏は、この背景について、「米中貿易摩擦が大きく響いている」と説明。半導体消費のランキングで2020年には3位だったHuaweiが2021年、2022年には7位にまで後退するなど、中国の電子機器メーカーの半導体消費がここ数年、低迷を強いられているという。

2022年の電子機器メーカーによる半導体消費トップ10過去10年の地域別半導体需要 左=2022年の電子機器メーカーによる半導体消費トップ10/右=過去10年の地域別半導体需要[クリックで拡大] 出所:ガートナージャパン

 その他の動向としては日本、欧州のシェアが拡大していることが挙げられるが、これは民生向けが低迷する中、自動車や産機などの半導体消費が堅調に増加している分野の企業が多いことが要因だという。

23年、車載は2桁成長も24年に調整入り

 同社は今回、2023年の半導体市場について、前年比6.5%減の5627億米ドルと、再び5000億米ドル台にまで縮小するという見通しも示した。同社が2022年11月に発表した同3.6%減という予測から下方修正した形で、山地氏は下方修正の理由について、「景気の低迷が要因だ。2022年末に向かうにつれ、経済が厳しくなってきているという雰囲気が出てきた。マクロ経済の見通しが、相当厳しいのではないかとみている」と説明した。なお、今回の見通しは2022年12月末時点のものだという。

2023年の半導体市場予測(オレンジ)。2022年(青)と比較している[クリックで拡大] 出所:ガートナージャパン
2023年の半導体市場予測(オレンジ)。2022年(青)と比較している[クリックで拡大] 出所:ガートナージャパン

 予測をエンドマーケット別にみると、スマホを中心としたワイヤレスやコンピュータ、民生の各分野は軒並み前年比マイナスとなる見込みだ。山地氏は、「われわれは2023年、メモリが2割近い売り上げ減となるとみており、特にメモリを使う領域に大きく影響するだろう」と述べていた。また、有線ネットワークや産機分野もほぼ横ばいと予測されている。

 一方で、車載分野は前年比12.6%増と成長を維持する見込みだ。これは半導体不足の影響で、自動車メーカーやティア1メーカーが1年以上先まで、キャンセル不可の条件で半導体メーカーに先行発注していることが要因で、「車載半導体メーカーは向こう1年程は黙っていても売り上げが立つ見込みが出ている」(山地氏)という。

 ただし、山路氏は、「2023年中も、こうした注残が積み上がっていくとは見ていない。さまざまなマーケットが2023年を通して調整に入るように、発注を控えるようになってくる。既に控え始めているといってもよく、ティア1メーカーでも在庫がダブついている状況がある。2023年は1年を通し、相当な発注控えが発生するだろう」と説明した。

 こうした状況から、2024年、半導体市場全体としては活況となる見通しだが、車載向け分野では市場調整が生じる見込みだという。

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