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公道で自動運転の実証実験を披露、ソフトバンク「レベル4」解禁間近(1/2 ページ)

ソフトバンクが都内で開催した、最先端技術を体感できる技術展「ギジュツノチカラ ADVANCED TECH SHOW 2023」では、自動運転「レベル4」実装に向けた自動走行のデモが披露された。【修正あり】

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 ソフトバンクは2023年3月22〜23日、最先端技術を体感できる技術展「ギジュツノチカラ ADVANCED TECH SHOW 2023」を都内で開催した。2023年4月から解禁される自動運転「レベル4」(一定の条件を満たした領域内に限り完全な自動運転走行が可能)の実装に向けた研究や、公道での自動走行のデモが披露された。

 同社は、解禁後のレベル4や、その先の自動運転サービスの早期社会実装を目指し、自動運転の走行経路の設計や遠隔監視の運航業務などをAI(人工知能)で完全に無人化する実証実験を2023年1月から竹芝エリア(東京都港区)で開始している。今回披露されたデモは、レベル3の自動運転車が公道を走行する場合の機能性や安全性に関するものだ。

「ギジュツノチカラ ADVANCED TECH SHOW 2023」自動運転のデモ

 自動運転レベルとは、自動運転システムを安全に利活用するために道路交通法で定められた「レベル0〜5」の運行基準だ。2023年3月現在は、「レベル3」(システムが全ての運転操作を一定の条件下で実行するが、システムの介入要求時には運転者が適切に対応)の自動運転車の走行が認められている。

自動運転のレベル分け
自動運転のレベル分け[クリックで拡大] 出所:国土交通省

自動運転の普及に不可欠な「遠隔監視」

 レベル4では、運行上の問題が起きた際もシステムが主体となって対応するが、システムで対応できない問題が起きる場合に備えて、監視者が常に自動運転車の状況を遠隔で確認している必要がある。

 走行する自動運転車の台数が増えるにつれて、監視にかかる手間や人件費がかさむため、自動運転の普及には、効率的な監視システムが必要になる。ソフトバンクの調査では、現行のタクシーやバスの20%が自動運転化し、1人当たり3台の遠隔監視を行った場合、自動車が1km走行するために必要なコストは年間1080億円で、現在のタクシー/バスよりも高額になるという。

 同社は、この課題解決のため、監視者が1人で複数台を監視しつつ、問題発生時には、その内容とと必要な対応をAIが自動で通知するプラットフォームの研究開発を行っている。竹芝における実証実験では、10台の自動運転車を1人で監視することに成功していた。今後も1人当たりの監視台数を増やし、負担やコストの軽減に努めるとしている。

自動運転車監視システムの概要監視者システムのデモ 左=自動運転車監視システムの概要/右=監視者システムのデモ[クリックで拡大]

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