300mm半導体ファブ生産能力、2026年は過去最高に:新たに82ファブ/ラインが稼働へ
世界の300mm半導体前工程ファブの生産能力が、2026年には月産960万枚まで増加し、過去最高となる予測をSEMIが発表した。2023〜2026年には82の新規300mmファブ/ラインが稼働を計画しているという。
中国の世界シェア、3ポイント上昇し2026年には25%へ
SEMIは2023年3月27日(米国時間)、世界の300mm半導体前工程ファブの生産能力が、2026年には月産960万枚まで増加し、過去最高となる予測を発表した。2023〜2026年には82の新規300mmファブ/ラインが稼働を計画しているという。
今回の予測は、366のファブ/ラインが収録された最新の「300mm Fab Outlook to 2026レポート」に基づき発表した。300mmファブの生産能力は、2021年に前年比11%増、2022年に同9%増と大きく伸びた。2023年には、メモリやロジックデバイスの需要が軟化したこともあり、成長率は同6%増とやや鈍化する見通しだ。その後は、8〜10%増の成長率で推移すると予測している。
SEMIのプレジデント兼CEOのAjit Manocha氏は、「世界の300mmファブ生産能力の拡大ペースは緩やかになっているが、業界は堅調な半導体需要に対応するため生産能力増強に引き続き注力している。ファウンドリー(マイクロ、ロジックを含む)、メモリ、パワーの3部門が、2026年に予想される生産能力の新記録到達への大きな原動力になるだろう」とコメントした。
これを裏付けるように、GlobalFoundriesやHua Hong Semiconductor、Infineon Technologies、Intel、キオクシア、Micron Technology、Samsung Electronics、SK hynix、SMIC、STMicroelectronics、Texas Instruments、TSMC、UMCといった企業が、2026年までに300mmファブ生産能力を増強すると予想されている。
300mmファブ生産能力について、地域別の見通しも明らかにした。「中国」は2026年に月産240万枚規模となる。世界シェアでみると、2022年の22%に対し2026年は25%となり、3ポイントも上昇する。
「韓国」の世界シェアは、メモリ市場の需要低迷もあって、2022年の25%に対し、2026年は23%へと低下する見込み。「台湾」は同じく22%から21%へ、「日本」も同様に13%から12%へとわずかに低下する見通しである。
こうした中で、「米州」と「欧州・中東」は、2022〜2026年で300mmファブ生産能力の世界シェアを拡大すると予測した。米州は0.2%から9%近くまで急上昇、欧州・中東も6%から7%に高まる見通し。一方、「東南アジア」はこの期間も4%のシェアを維持するとみている。
なお、2022〜2026年における製品別の年平均成長率予測は、アナログとパワーが30%増、ファウンドリーが12%増、オプトが6%増、メモリが4%増となっている。
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