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ソニー「PlayStation VR2」を分解、注力する新チップの存在が浮上この10年で起こったこと、次の10年で起こること(72)(1/3 ページ)

今回は、ソニーが発売したVRデバイス「PlayStation VR2」を分解する。「PlayStation 5」の各品種に採用されているチップについても考察してみる。

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 ソニーは2023年2月、「PlayStation 5」専用のVR(仮想現実)デバイス、「PlayStation VR2」(以下、PS VR2)の販売を開始した。VR2の名前の通り、PS VRの第2世代の製品となっている。第1世代のPS VRは2016年に発売されていて、「PlayStation 4」向けの製品だった。

 現在多くのVR製品が出回っている。Meta、HTC、PICOなどはWi-Fiでネットワークに接続して使用するので本体がワイヤレスになっているが、PS VR2は有線でPlayStation 5と接続して使うことが前提となっている。PlayStation 5とVR2を接続する有線は4.5mもあるので通常動作にはまったく問題ないが、VR2を装着したまま隣部屋などやや遠いところに移動することはできない。ちなみに筆者は自宅で「Meta Quest 2」を使っている。

 図1は、PS VR2の梱包箱、内包物一式の様子である。VR2本体とワイヤレスコントローラーが2個、有線イヤフォンが内包されている。

ソニー「PlayStation VR2」の本体、コントローラー、イヤフォン
図1:ソニー「PlayStation VR2」の本体、コントローラー、イヤフォン[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

 ワイヤレスコントローラーは左右対称になっていて、他社のコントローラーに似た構造になっている。グリップしたまま各種操作ボタンにタッチできるので、慣れてしまえば非常に使いやすい。別売りのワイヤレスコントローラー用充電器も販売されており、置くだけで充電ができるようになっている。Meta Quest 2のワイヤレスコントローラーは乾電池なので、電池切れでアタフタすることもある。その点、充電式のPS VR2は非常に良いと言ってよいだろう。付属の有線イヤフォンは3.5mmのオーディオジャックに接続するので別売のPS5向けのヘッドフォンや市販のイヤフォンをつなげて使うこともできるようになっている。

ワイヤレスコントローラーを分解

 図2は、ワイヤレスコントローラーの内部を一式取り出した様子である。

図2:ワイヤレスコントローラーの内部基板
図2:ワイヤレスコントローラーの内部基板[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

 基板と電池はコントローラー中央のグリップ部に収められている。グリップを取り囲む円形部には操作ボタンやLEDライトが埋め込まれている。タッチパッド機能やボタンを指で操作できる。基板には6軸モーションセンサーやワイヤレスコントローラー(通信機能付き)など複数のチップが搭載されている。パッド部にはタッチコントローラーチップも備わっている。

 内部はリチウムイオン電池や充電用のUSB-C端子、振動を発生させるためのHAPTICバイブレーター、基板、操作部品で出来上がっており、形状は異なっているが、PlayStation 5用のワイヤレスコントローラーとほぼ同じ内容となっている。メインのワイヤレスコントローラーチップはソニーの「CXD90064GG」。同チップはPlayStation 5のワイヤレスコントローラーにも使われている。チップは開封済みだが、内部の詳細は本稿では省略する。

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