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5G時代の新たなセルラーIoT技術「RedCap」とは何か2026年以降に市場が成長する見込み(1/3 ページ)

「RedCap」は、ウェアラブル機器など、小型で低消費電力のIoT機器を、5Gで接続しやすくするための拡張機能だ。本稿では、RedCapの仕組みや利点を解説する。

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RedCapデバイス動作のための拡張機能が含まれる「リリース17」

 携帯電話業界では、IoT(モノのインターネット)デバイスをインターネットに接続するために、いくつかのワイヤレス技術を導入してきました。表1に示すセルラーIoT技術には、「LTE Cat M」「GSM IoT(EC-GSM-IoT)」「NB(Narrow Band)-IoT」などが示されています。いずれも、セルラー接続の追加コストを最小限に抑えて、リモート無線アクセスの費用対効果を最大化するように設計されています。

表1. セルラーIoT技術の比較
NB-IoT (Rel-13) LTE-M (Rel-12 / 13) EC-GSM (Rel-13)
通信範囲、リンクバジェット <15km、164dB <11km、144dB <15km、164dB
周波数帯域 ライセンス
700M〜900MHz
200kHz or 共有
ライセンス
700M〜900MHz
1.4MHz or 共有
ライセンス
800M〜900MHz
2.4MHz or 共有
通信速度 <100kbps <1Mbps -
通話サービス なし あり あり
バッテリー寿命 10年以上 10年以上 10年以上
出所:キーサイト・テクノロジー

 最新のセルラーIoT技術は、5G(第5世代移動通信)を活用できる最初の技術といえます。3GPPのリリース17には、ウェアラブル機器やセンサー、監視装置、その他のIoT機器といったRedCap(Reduced Capability)デバイス(機能を削減したデバイス)が5Gネットワークで動作できるようにする拡張機能が含まれています。

 その名の通り、5G RedCapデバイスは、5Gを介してインターネットに接続しますが、5Gネットワークで動くスマートフォンや他の高度なユーザー機器(UE)のような機能や性能を完全に備えているわけではありません。5Gのスループット、帯域幅、遅延機能に対応しておらず、消費電力やコストの面で制約がより厳しいのが一般的です。RedCapデバイスは、5Gが持つメリットを享受しつつ、少ない5G機能を活用して、機能、コスト、消費電力の最適なバランスを実現します。

 3GPPは、RedCapデバイスのユースケースとして、産業用センサー、監視装置、ウェアラブル機器の3つを挙げています。3GPPのTechnical Report(TR)38.875では、表2に示すように、各ユースケースの最大データレート、エンドツーエンド(E2E)レイテンシ、サービスの可用性を規定しています。


表2. リリース17に含まれるコスト削減/低消費電力化のための機能強化[クリックで拡大] 出所:キーサイト・テクノロジー

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