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ChatGPTは怖くない 〜使い倒してラクをせよ踊るバズワード 〜Behind the Buzzword(18)(3/11 ページ)

ある日突然登場し、またたく間に世間を席巻した生成AI「ChatGPT」。今や、ネットでその名を聞かない日はないほどです。このChatGPTとは、一体何なのか。既に数百回以上、ChatGPTを使い倒している筆者が、ChatGPTの所感をエンジニア視点で語ってみたいと思います。

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ChatGPTの「芽生え点」が見つからない

 ChatGPTは、ある日突然現れて世界を席巻したかのように見えます。

 多くのAI技術は、その前の段階で、ブレークポイントの芽生えのように見える場面がありました。ですので、私もChatGPTの“芽生え点”を求めて探してみたのですが ―― “見つからない”のです。今でも、ちょっと信じられませんが。

 以下は、Google Trendを使って、”ChatGPT”が登場してくるニュースヘッダ数の比率の推移をグラフにしたものです。

 昨年2022年の11月下旬に現われるやいなや、いきなり世界を席巻したのです。これは、従来のAI技術のパターンとは一線を画すものであると言えます。

 こういう場合は、学術方面の論文数から調べることで、世間とアカデミズムの乖離が「見える化」できますが、驚いたことに、アカデミズムにおいても、ChatGPTが完全に見落とされ続けていたことも分かりました。これは、下記のChatGPTを含む論文数の推移から見ても明らかです。

 世界中の研究者達が、ChatGPTに全く気がついておらず、今、慌てて論文を出しまくっているという、節操のない様子が伺えます。加えて言えば、ChatGPTに関する技術的観点の論文は皆無に等しく、論文のテーマは、「ChatGPTの活用方法」や「ポストChatGPTの社会への影響」という内容になっています。

 つまり、ChatGPTを技術的に理解していない自称「AI専門家」が、慌ててChatGPTについて語り出しているという『見苦しい』状況が見て取れます ―― 実際に、私、今回の調査で、ChatGPTの技術に関する文献が少なすぎて、本当に困りました。

 ただ、完全にChatGPTが見落とされていたかというと、決してそういう訳でもないようです。ブレークポイントとなった2022年11月後半より前の、ChatGPTに関するニューストレンドの比率を調べてみたところ、現在の数から見ると、それはほこりのように小さい数ではありますが、世界だけでなく日本でも、ちゃんとウォッチし続けた人(研究者)がいたと推認できるデータもあります(下図参照)。

 総じて、このChatGPTという技術は、AI研究者にとどまらず、登場と同時に一般の人が簡単に使える(上記の3ステップ)AI技術であることが、大きな特徴と言えそうです。

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