検索
連載

HDD大手Western Digitalの業績、営業赤字が拡大もHDD事業は回復の兆しあり福田昭のストレージ通信(250)(3/3 ページ)

Western Digitalの2023会計年度第3四半期(2023年1月〜3月期)の業績概要を紹介する。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

HDDの売上高と平均価格が前期比で上昇

 次は製品分類別の業績である。WDは「フラッシュ応用品」と「HDD製品」の売上高や粗利益率(Non-GAAPベース)などの数値を公表してきた。

 2023会計年度第3四半期(2023年1月〜3月期)における「フラッシュ応用品」の売上高は前四半期比(前期比)21%減、前年同期比42%減の13億700万米ドルである。粗利益率はマイナス5.0%で、前期の14.5%から大きく低下し、マイナスに転じた。価格低下が収支を大幅に悪化させていることがうかがえる。

 フラッシュ応用品のビット換算の出荷容量は、前期比で14%減である。記憶容量当たりの平均販売価格(GB単価)は、全製品(Blended)で前期比10%減、同一製品(Like-for-like)で12%減と低下が続く。

フラッシュ応用品(左)とHDD製品(右)の売上高と粗利益率(Non-GAAPベース)の推移
フラッシュ応用品(左)とHDD製品(右)の売上高と粗利益率(Non-GAAPベース)の推移(2022会計年度第3四半期〜2023会計年度第3四半期)。金額の単位は10億米ドル[クリックで拡大] 出所:Western Digital

 2023会計年度第3四半期(2023年1月〜3月期)における「HDD製品」の売上高は前四半期比(前期比)3%増、前年同期比30%減の14億9600万米ドルである。粗利益率は24.3%で前期の20.7%から3.6ポイント上昇した。HDD事業は回復の兆しが見える。

 HDD製品の販売台数は、クラウド向けが630万台、クライアント向けが360万台、コンシューマー向けが270万台である。前の四半期と比べ、80万台増、40万台減、70万台減となった。クラウド向けの販売台数減少トレンドは底を打った可能性が出てきた。


四半期業績の推移(2022会計年度第3四半期〜2023会計年度第3四半期)[クリックで拡大] 出所:Western Digital

 HDD製品全体の販売台数は1260万台である。前の四半期からは30万台減となった。減少幅は縮まっており、ここからも回復の兆しがみえる。HDD製品の平均販売価格(ASP)は109米ドルである。前の四半期から10米ドル上昇した。

(次回に続く)

⇒「福田昭のストレージ通信」連載バックナンバー一覧

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る